生産者:勝沼醸造株式会社
生産年:2017年
生産地:日本・山梨県・甲州市勝沼町
ブドウ品種:甲州100%
ワイン名だけを見ると、スペインかポルトガルのワインのようですが、実は「アルガ」は造り手さんお名前、有賀(あるが)さんが由来なんです。ブランカはスペイン語やポルトガル語で白という意味なので、有賀さんの白ワインっていうことなんですね。エチケットもかっこよくて、センスのよさが光っています。
グラスに注ぐと、色は甲州らしくやや淡めのレモンイエローで軽やかで涼しげな印象です。香りはフレッシュで生き生きとした柑橘っぽさが主体ですが、レモンやライムというより、どこか和っぽいというか、かぼすやすだちの果汁のような雰囲気があります。
口に含むと、アタックは柔らかく、舌の上をなめらかにワインが広がっていくのがわかります。きれいな酸味とエキス感がこのワインの軸を作っていて、きりっとした印象です。ごくっと飲み込んだあとも口の中にやさしい旨味が残り、さわやかな余韻がじわっと後を引きます。
錦織圭のようなエレガントさと粘り強さ
一般的な甲州のワインはいかにも和食に合いそうな味わいのものが多いのですが、アルガブランカ・クラレーザは酸味やミネラル感がしっかりあって、ヨーロッパの伝統国のスタイルのワインに近く、和食だけでなくフレンチやイタリアンにも合いそうです。魚介系の前菜はもちろん、軽めのお肉系の前菜にもよさそうで、今の季節なら、タコのカルパッチョや生ハムメロン、ジャンボン・ペルシエ(ハムとパセリのゼリー寄せ)なんかを合わせたいですね。
さて、このワインを有名人に例えると……。今年の全仏オープンでも大活躍だったテニスの錦織圭選手です。彼がときおり見せる、ドロップショットの繊細なタッチは、まさに甲州のエレガントな味わいそのものと言っていいほど。
また、テニス選手としては小柄な彼が、ひょうひょうと対戦相手をいなしながら、総合力で最終セットまで粘り強く戦っていくスタイルは、まさに今の甲州が世界で戦っていくうえで、評価されているところと重なります。派手さはないけどしなやかで、しっかりとした味わいの軸があり、全体の調和を大切にする日本の風土をよく表現しているワインといえるでしょう。
これから甲州ワインが錦織選手のように、フランス、イギリス、アメリカ、オーストラリアの4大大会でも大活躍できることを期待しています!
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