新緑の美しい季節が始まりましたね。これから暑くなるまでの間、テラスや外で風にあたりながら飲むワインの味わいは格別! おいしいワインは、いつ飲んでも当然おいしく、楽しめるものではありますが、それぞれの季節で「こういうふうに楽しみたいなぁ」と思えるのもまた魅力です。「どんなふうに」「誰と」といった点も、楽しむためのプラス要素ですからね!
さて、今回の「ワインの常識」のテーマは南アフリカ。最近はワインショップなどで目にすることも増えてきましたが、南アフリカは世界的にも非常に注目されているワイン産地で、今私が最も訪れたいワイン生産国の1つです。なぜそんなに注目されているのか、5つの特徴からじっくりご説明していきましょう。
国を挙げてワイン生産をバックアップ
アフリカと聞くと、砂漠やサバンナを思い浮かべる人が多いかと思いますが、南アフリカは1年を通じて9度から25度くらいと穏やかな気候で、ワイン生産に適しています。実際、南アフリカのワイン造りの歴史は、なんと今から360年以上も前までさかのぼるんです。ワインにおける“ニューワールド”の代表国、アメリカはもとより、オーストラリアやニュージーランドよりもずっと長くワインが造られているとは、多くの人にとって意外ではないでしょうか。
とはいえ、世界が南アフリカワインに注目し始めたのは最近の話。1990年代半ばにアパルトヘイトが廃止されて以来、輸出が増加し、多くの国で南アフリカのワインを楽しむことができるようになりました。
南アフリカワインには大きく分けて5つの特徴があります。まず1つは、環境に対する意識の高さ。ブドウ栽培からワイン醸造、完成品のパッケージングに至るまで、「環境と調和したワイン生産」を目的とした制度を設けており、95%以上のブドウ栽培農家とワイン生産者がこのガイドラインに従っています。
農薬および添加物の使用制限やリサイクルの徹底など、サステイナビリティ(持続可能性)への意識が非常に高いだけでなく、フェアトレードの推進や労働環境の改善など、国を挙げて、ワインに関わる全工程を通じた社会貢献への取り組みが積極的に行われています。
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