「小栗旬」を思わす南アフリカワインの色気 ワイン産地として注目される理由とは

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2つ目の特徴は、生産地の自然環境。驚くべきことに南アフリカにおけるワイン生産の9割は、世界自然遺産に登録されているケープ植物区内で行われているのです。ケープ植物区は西ケープ州、ケープタウン周辺に位置していて、国を代表する大自然エリアの1つでありながら、ワイン生産の中心地でもあります。

そして3つ目の特徴は、ワインツーリズム。もちろんほかの国でも一般の方が見学したり、試飲したりできるワイナリーは多くあるかと思いますが、南アフリカでは国を挙げてこのワインツーリズムに力を入れています。この国の観光といえば、壮大な自然や野生動物が思い浮かぶ方が多いかと思いますが、ワインをテーマとした楽しみ方もたくさんあるんです。

南アフリカといえば「シュナン・ブラン」

例えば、南アフリカには「W.O.(ワイン・オブ・オリジン)」という原産地呼称制度があるのですが、その後援を受けた「公式ワインルート」が18本あります。ルートのほとんどが西ケープ州の、歴史あるワイン産地を結んでいますが、一番人気なのは、ステレンボッシュ、パールといった同国を代表するワイン産地を巡るもの。

巡り方もいろいろで、大手ワイナリーだけでなく、注目度が増している小規模ワイナリーなどを訪問し、醸造所見学やワインテイスティング、食事などを楽しむことができます。中には車ではなく、ブドウ畑の脇を自転車に乗って巡るツアーもあるそう。美しいブドウ畑を眺めながら風を感じてワイナリーからワイナリーへと移動するなんて、素敵です。

南アフリカワイン全体としては、サステイナビリティを追求しつつ、最新の醸造技術を取り入れた、洗練された味わいのワインが造られているという印象です。しかも、その品質の高さに対してリーズナブルなものが多いのもうれしいですね。このコスパのよさが4つ目の特徴です。

そして5つ目の特徴は、同国を代表するブドウ品種、「シュナン・ブラン」から造られる白ワインです。シュナン・ブランはフランスのロワール地方原産の白ブドウ品種で、カリフォルニアなどでも栽培されていますが、その世界最大の生産地は、なんとこの南アフリカなのです。

シュナン・ブランの特徴はカリン、アプリコット、マンゴーのような熟した黄色いフルーツと蜂蜜のような甘い香り、そして飲んだときにシュッとするキレのよい酸味があるところです。非常に魅力的なワインなのでぜひ、覚えておいてください。

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