「イライラと不安」を増幅させる食生活の正体

5月病を引き起こす、「鉄欠乏」と「糖質過多」

心の危機を回避するには食生活がカギとなります(写真:Ushico / PIXTA)
新年度が始まって3週間。進学、就職、転職、転勤……新たなスタートにまだまだ慣れない人も多いだろう。変化の時期は「心の危機」の時期でもあります。特に大きく環境が変わったり、一人暮らしが始まったり、という人は注意が必要だ。
精神科医の奥平智之氏が近著『マンガでわかる ココロの不調回復 食べてうつぬけ』から心の危機を回避する食生活を解説する。

「鉄」欠乏が引き起こす不調

「食生活の乱れ」というと、朝食を抜くことや、インスタント食品に偏るなどのイメージを持つかもしれない。それももちろん問題だが、朝はトーストとコーヒー、昼はおにぎりとスープ、夜はパスタとワインといった、一見普通に見える食事でも危険だ。

心の危機を招く原因に、心や体を健全に働かせる栄養素の不足がある。パンやパスタ、ごはんなどの糖質中心の食事になると、肉や魚の動物性タンパク質や、野菜などが不足しがちになり、そこに含まれる栄養素も摂取できなくなる。

特に注目したいのは、鉄だ。鉄は赤身の肉や魚に豊富に含まれている。不安やうつをやわらげるセロトニンや、ときめきを感じさせるドーパミンなどの脳内の神経伝達物質は、作る過程で鉄が必須となっている。

また、鉄が欠乏すると、全身の細胞のエネルギー産生工場であるミトコンドリアの機能も低下する。神経をはじめさまざまな細胞や臓器の機能低下につながるため、鉄欠乏の症状は多岐にわたる。イライラ、憂うつ、不安、疲れやすい、冷え、頭痛、髪が抜けやすい、アザができやすい、眠りが浅い、爪が平坦で割れやすいといった症状があらわれる。

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