「イライラと不安」を増幅させる食生活の正体 5月病を引き起こす、「鉄欠乏」と「糖質過多」
また、抗炎症作用のあるEPAが豊富な青魚や、腸内環境を整える納豆などの発酵食品も意識的にとるとよい。
糖質過多にならないよう、注意したいのは間食だ。手軽に食べられる食品のほとんどは糖質。間食には、ゆで卵やくるみ、アーモンド、小魚などがいい。ココナツバターを冷やして固めて食べるのもおすすめ。
漢方薬でゆるやかに心の元気を回復させる
栄養状態の改善とともに、漢方薬の使用も効果的だ。春は、東洋医学的には五臓でいう『肝』の季節とされる。肝を良くする=イライラ解消には、柴胡(さいこ)という生薬を含む漢方薬がおすすめだ。
ストレスをうまく言葉にできず周囲に打ち解けないタイプには、抑肝散(よくかんさん)。加えて、胃腸が弱ければ抑肝散加陳皮半夏(よくかんさんかちんぴはんげ)、緊張して手足が冷えるなら四逆散(しぎゃくさん)。
おしゃべりが好きで周囲に打ち解けやすいタイプには、加味逍遙散(かみしょうようさん)。
神経質で何でもないような細かいことに悩み、驚きやすく、ドキドキしやすいタイプには、柴胡加竜骨牡蠣湯(さいこかりゅうこつぼれいとう)。柴胡剤は、脇腹からみぞおちあたりにかけての緊張や苦しい感じがみられる人に効果があり、これらの漢方は心の不調によく使われる漢方薬だというから、覚えておきたい。
漢方にも、食事を改善することで体調を整える「食養生」という考え方がある。漢方的には春は「酸味」をつかうとよいだろう。酸味は肝の働きを助ける。また、酸味のある食品は、鉄の吸収を促進するので酢の物やレモンを使った食品などを積極的に食べるのがおすすめだ。
新生活のスタートには、夢や期待があふれている。それをストレスでつぶしてしまわないためにも、「何を食べようか」という小さな選択の積み重ねが重要なのだ。いま手にとったその食品が、自分の新生活を支えてくれる味方なのか、あるいは敵なのか、ぜひとも考えて選びたいものだ。
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