定年後が忙しい、84歳のとにかく柔らかい発想 "現役プログラマー"の世界の広げ方
例えば、まわりのひとが喜ぶこと
定年後、やりたいことがない。そんな悩みを抱えている方もおられるかもしれません。ヒントになるのは、「自分がなにをしたら、まわりのひとが喜んでくれるだろうか」ということ。自分ができることと、ひとが喜ぶことの接点を探すのです。
誰かに喜ばれたり感謝されたりしたら、うれしくて「もっとやろう」という気持ちになる。これはもう立派な「やりたいこと」です。
プログラミングの世界に足を踏み入れて知ったのですが、プログラミングが得意なひとでも、作りたいものがないというひとはけっこういるんですね。そういうひとを見ると、「もったいない!」と思います。プログラミングこそ「ひとが喜ぶこと」と連携しやすいからです。
私が見学に行った岐阜県の工業高校と盲学校が協力した企画でのこと。工業高校の電子科の生徒さんたちというのは、いずれは大企業のプログラマーになるようなひとたちです。でも夏休みなどは、部活でゲームアプリなどを作って楽しんでいます。そこで、工業高校の先生と知り合いだった盲学校の先生が、「うちの生徒たちにもなにか作ってくれませんか」と声をかけたのだそうです。
視覚障害者向けのアプリも、存在してはいます。でも、盲学校に通うお子さんたちの「目の見えなさ」というのは、一人ひとり違うんです。真っ暗でなにも見えないお子さんや光だけはぼんやり見えるお子さん、視野が一部欠けているお子さんなどさまざまな状態がある。でも、「視覚障害者」としてひとくくりにされているのです。だから、それぞれの障害を持っているどんなお子さんも使いやすい・楽しめるアプリというものはありません。
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