定年後が忙しい、84歳のとにかく柔らかい発想

"現役プログラマー"の世界の広げ方

工業高校の生徒さんたちは、盲学校のお子さん一人ひとりに話を聞くことにしました。そして、ある盲学校の生徒と話していて、「そのお子さんは、背景色が黄色で字が黒だと読みやすいのでは」と気づいた工業高校の生徒がいました。そういう表示ができるプログラムを組んだら、やっぱり読みやすかったのだそうです。

アプリを開発してプレゼントしたら、その盲学校のお子さんも、そのお母さんも盲学校の先生も大喜びしました。その工業高校の生徒は、自分がなにかをプログラムしてものすごく喜ばれる、とは思いもしなかったのだそうです。きっとその生徒はこの経験を糧に、ひとのためになるアプリをいろいろ開発してくれるのではないか、と思います。

プログラミングで、イノシシを捕獲!

「今、自分がほしいものはなんだろう」と考えるのも、「やりたいこと」探しの1つの方法です。これは、マーチャン方式ですね。

私がお雛さまを並べるゲーム「hinadan(ひなだん)」を作ろうとした発端は、シニアでも楽しめるようなアプリゲームがなかったから。スマホを使い始めたものの、ゲームといえば、若者が得意な素早い動きを必要とするものばかり。もっとお年寄りでも勝てるようなゲームがほしい、と思ったのです。

最初は、自作する気はさらさらありませんでした。だから震災の支援活動で出会ったプログラマーのお友達に、「シニア向けのゲームを作ってください」とお願いしたのです。

でもお友達の答えは「若宮さんが作ったら、超話題になりますよ」。そう、自分で作れということだったんです。それなら仕方ない、と宮城県に住むそのお友達に遠隔授業で教えていただきながら、アプリを完成させていきました。

福井県勝山市には、プログラミングを勉強して、イノシシなどの野生獣捕獲装置を作った猟師・谷川一男さんがいます。持っている資格は、測量士と猟銃免許、それに罠免許という、およそプログラミングとは縁遠そうな60代後半くらいのおじさまです。

勝山市では、イノシシが畑や田んぼを荒らす被害が多発していました。従来の箱罠も仕掛けていたのですが、それには警戒心の薄い子どものイノシシしかかからない。成獣を捕まえるにはどうすればいいか、とみんな悩んでいたのです。

そこで、谷川さんが一念発起。警戒心の強い成獣でもうっかり入ってしまうような箱罠を作ろうと考えました。赤外線センサーを使い、ある程度の大きさのイノシシが入ってきたら感知して、自動で檻の扉が自動落下する仕掛けを作ったのです。

勝山市には、手のひらサイズのコンピューターを使ってプログラミングや電子工作を教える、子ども向けの教室がありました。谷川さんはそこに入会し、プログラミングを学んだのだそうです。やりたいことがあれば、子ども向けだろうとなんだろうと関係ないものです。真剣に学びたくて入ってくるひとは、歓迎されます。

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