「自己肯定感の低い子」に親ができる1つのこと 「できる子」ほど自己肯定感が育ちにくい?
教育熱心で一生懸命な親ほど「成果」に注目してしまう
子どもの自己肯定感を上げる親の働きかけとして、多くの大人がまず思い浮かべるのは「子どもをほめる」ということだと思います。
子どもが何かに頑張って取り組んでいたら、それをほめて励ますのは基本的にはいいことでしょう。
しかし、「ほめる」という行為には、多くの親が陥る落とし穴があります。それは、私たち親は、ついつい、わかりやすい「能力」や「成果」に熱く注目してほめてしまうということです。 例えば、子どもがテストでいい点を取った。サッカーの試合でゴールを決めた。
そのとき、その点数の高さ、得点できたことを、ただ、ひたすら「すごいね!」「よくやったな!」とほめてはいないでしょうか。あるいは、「よくない結果」だった場合に、「もっと頑張りなさい」と、よりよい成果を出すことだけを求めてはいないでしょうか。
「○点取れた」「勝った」「成功した」というのは、あくまで「成果」であり「結果」です。
結果だけを評価され続けることで、子どもには「価値があるのは自分ではなく、あくまで○○ができる自分であり、ただの自分には価値がないのでは」という気持ちが生まれてしまいます。
もちろん、そうしたことを子ども自身がはっきりと自覚するケースはまれでしょう。
しかし、そうした価値観が無意識に刷り込まれ、「何となく不安な気持ち」や「焦り」となって子どもの心に根を張ります。あるいは、結果が出なくなり始めたときに投げ出すこともあります。結果の出ない自分を受け入れられず、「何もしないからできないだけ」という逃げ道を作るわけです。
子ども自身がどんな努力をした結果なのか。子ども自身が何を得て、どのように成長したのか、ということは、成果に注目すればするほど、見えづらくなってしまいます。「成果を挙げられなければ、自分の存在は認めてもらえない」といった不安や焦りは、子どものその後の成長にとっては、むしろマイナスになります。