「自己肯定感の低い子」に親ができる1つのこと 「できる子」ほど自己肯定感が育ちにくい?

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子育てでは「夢を持つ」ということが多く語られます。小学校でも、子どもが自身の将来の夢を作文に書いたり、語ったりする機会が多くあります。例えば、「サッカー選手」「医者」「宇宙飛行士」「アイドル」「パン屋さん」……近頃は、「YouTuber」 「ゲームクリエイター」などを挙げる子も多くいます。

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夢を持つことは、もちろんすばらしいことです。 しかし、親はそうした子どもの夢を、ただの「夢物語」として聞き流していることも多いのではないでしょうか。 もちろん「サッカー選手になりたい」という夢を実現するためには、想像もつかないほど長い時間にわたって、練習を積み重ねることが必要ですし、プロスポーツというのは非常に厳しい世界ですから、実際に選手になれるのはほんの一部でしょう。

そうした現実を考えると、多くの親が「夢は夢」と思うのも無理のない話ですし、私自身、スポーツに取り組む子ども全員に「頑張れば、誰でもオリンピックに行ける」というつもりはありません。

しかし、そうした夢や目標との“遠すぎる距離”を「もったいないな」と感じます。夢を抱いた結果、どこかで「諦める」ことを学んだだけ、というケースが多いように感じるからです。

目標は小さくてもいい

ですから、子どもが大きな夢を持って何かに取り組もうとしているときは、その夢を今の成長に生かしてほしいのです。親ができる最善のことは、そうした夢に対して「じゃあ、今週は何をすればいいか?」と、夢を「現実的な目標」にブレイクダウンさせてアドバイスすることです。中長期の目標に対して、短期の目標を立てるこうした思考プロセスは一生使っていくものです。

そのプロセスの中で、子どもの心には「成長のエンジン」が形作られます。 たとえサッカー選手になれなくても、そのエンジンは、大人になってから大きな意義を持つでしょう。目標は小さくてもいいので、必ず達成していくようにしたいものです。

平岩 国泰 特定非営利活動法人・放課後NPOアフタースクール代表理事
ひらいわ くにやす / Kuniyasu Hiraiwa

1974年東京都生まれ。1996年慶應義塾大学経済学部卒業。30歳のとき、長女の誕生をきっかけに“放課後NPOアフタースクール"の活動を開始。2011年会社を退職し、日本の子どもたちの「社会を巻き込んだ教育改革」に挑む。“アフタースクール"は活動開始以降、5万人以上の子どもが参加。グッドデザイン賞を過去に4度受賞、他各賞を受賞。2013年より文部科学省中央教育審議会専門委員。2017年より渋谷区教育委員、学校法人新渡戸文化学園理事を務める。

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