PDCAという言葉はもちろん知っているけれど、実は何をするのか具体的なところはあやふや……そんな方は意外にも多いのではないでしょうか。
前回の記事ではPDCAを回すための「3つの志向性」についてお話ししましたが、今回は「効果的な振り返りのやり方」をご紹介します。
「振り返り」、きちんとできていますか?
私がコンサルティングや研修で伺う企業の方々からお話を聞いてみると、Planを立ててDo=実行まではしているものの、後半のCheckとAction、つまり振り返りができていない方がかなり多いと感じます。
まず、多いのが振り返り自体をやらないケースです。
私は多くの方に「仕事の振り返りはどんなふうにしていますか」と質問するのですが、「……そもそもやってません」と答える人がかなりの割合を占めています。例えば書籍の編集者の方でも、「一つの本が終わったら、特に振り返らずに次の企画です」とおっしゃる方も。
一方、「毎週会議で振り返りをやっていますよ」という方でもよくよく何をしているのかを聞いてみると、責任追及に終始した揚げ句、「来週はもっと気を引き締めるように」「もっと頑張れ」など“気合い入れ”で終わっていることが多いようです。これでは効果的な振り返りとはいえません。
PDCA提唱者のデミング博士は、入念に学びとる必要性を強調して、後にCheckをStudyに置き換えてPDSAサイクルと称しました。確かにCheckという言葉だといい悪いの確認程度の意味合いに捉えられがちですが、本来やるべきことは実行から学びを得ることです。
つまり、振り返りができていないということは学んでいないということとイコールになるわけです。馴染みがあるPDCAという言い方を変える必要はありませんが、CheckはStudy=学びであるということは重要なポイントです。そしてActionは学びを基に次に実行できる具体的なものを考えるべきです。
実行性の高いActionを出すには、①Adjust、②Challenge、③Pivot、④Do's & Don'ts、の4種類で考えると効果的です。
PDCAのActionは別名Adjust(調整)といわれることもあります。Adjustは大筋は変えずに微調整するActionと考えます。
例えば、Webサイトの記事を書くという仕事のPDCAで、PV(ページビュー:閲覧数)の反応をみて、長い記事はPVが少ないということがわかったら、「4000字の記事だったのを2000字にして2回に分けて掲載する」など、調整のためのActionを考えます。
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