PDCAを回せる人だけが知っている「秘密の技」 周囲の人を助けられる「見識」に到達する方法

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③Pivot:方向転換してステージを変える

残念ですが、Adjustで試行錯誤を繰り返すことで、成功の可能性がないことが明らかになることも当然あります。この場合、落ち込んでいる暇はなく、どう方向転換するのかを考えます。

「ピボット」(Pivot)とは、本来「回転軸」を意味する英語で、転じて近年はスタートアップ企業の経営における「方向転換」や「路線変更」を表す用語としてよく使われます。スポーツのバスケットボールやスキーなどで使われる「ピボットターン(片足を軸として回転すること)」という言葉として聞き覚えがある方もいるでしょう。

新規事業など不確実性が高い領域のPDCAは実行によって当初のPlan通りにいかないとわかることもたくさんあります。そのようなときにPivotすることで大きな損失をまぬがれ、成功した企業はたくさんあります。

FacebookやYouTubeなどは、当初からあのようなサービスを作ろうとしていたわけではなく、サービスの対象範囲を変えたり、提供サービスを一本に絞るなどのPivotを行って成功しました。軌道修正や方針変更というとネガティブな印象がしますが、「Pivot=方向転換」するというと不思議と前向きな印象になります。

個人のキャリアでは転職や独立は大きなPivotです。私の場合は独立したときが大きなPivotでした。それまで会社員としてやってきた人材育成を、フリーランスとして提供するというPivotです。企業の中ではノウハウを提供するには制約があったため、提供する場を変えるという方向転換を図ったわけです。

Pivotは全面的にゼロリセットするわけではなく、まずは軸足を定めたうえでどの方向に向かうのかを考えます。自分の強みや意義を感じることを全部変えてしまうのではなく、場を変えたり、強みの提供を違うやり方でできないかを考えてみるとよいでしょう。

実行から得られた教訓を明文化

④ Do's and Don'ts :「べし・べからず集」にする

Do's and Don'tsは「すべきことと、すべきではないこと」という意味で、「べし・べからず集」とも言います。実行から得られた教訓を明文化したものです。

Do's and Don'tは五現主義で考えます。Adjustの三現主義(現場・現物・現実)で得られたことから、原理・原則を見出していきます。

 原理: 物事を成り立たせる法則やメカニズム
 原則: 多くの場合に当てはまる物事の決まり

Adjustを繰り返すことで見えてきた原理・原則を明文化することで、さまざまな領域やシーンで活用できる深い学びにします。

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