高校は絶対に卒業するべきか? 授業が始まるとうつ症状になる娘

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高卒にこだわりすぎると、問題が大きくなることも

お母様が、ともかく高校卒業だけはというお考えに、まず、しがみつかないようお勧めします。このまま何の手も打たず、娘さんがますます遊びを覚えたり健康を害したりする場合を考えたら、高卒資格など、何ほどでもない問題です。高校を卒業しなくとも自立できる職業や資格の獲得は、いくらでもあります。

母娘だけだと感情的になってしまい、話が前に進まないことがありますので、信頼できる第三者を交えて、じっくりと進路について話し合われるべきです。母娘とも「どんな形ででもまず卒業ありき」を前提とせずに。

本当に本人が卒業したいと思っているなら、今の生活では卒業できないこと。不思議なシステムで卒業できたとしても、これから2年以上、今のように非生産的に過ごすことに、何の意味もないこと(むしろ、問題が深刻になります)。一日中遊び回るお小遣いも渡さないこと。改心して努力できるかどうかの確認などについて。

不登校の子供たち向けのフリースクールもたくさんあります。高校への復帰を目的としない、大自然の中で農作業などを通じて心と体の健康を取り戻し、よい生活習慣を身に付けるグループホームのような団体もテレビで見たことがあります。子供たちはそこで健康を取り戻し、人生の夢や目的を育んでいました。ある県立の山村留学では町立の寮が用意されているので、そんなに費用はかからない印象でした。

フリースクールや山村留学に関心はあるか。ある職業のプロを目指して習い事をするか専門学校へ行くか、見習いとして受け入れてくれるところを探すか等々。どの道を選ぶにしても、いい加減な気持ちでは受け入れてもらえず、付いて行けない道ですが、母子でアイデアを出し合い、どの選択なら本人のやる気が起こるのか、時間をかけてでもじっくりと話し合って、本人の自覚を促し選択させ、責任を負わせるべきです。母親がおろおろして何の手も打たないことが、いちばんいけません。

ミセス・パンプキン 『最強の人生相談』『一流の育て方』著者

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立命館大学卒業。ビジネスパーソン向けの家庭問題・人間関係・人生相談の専門家として、東洋経済オンラインで2012年より執筆。最新刊は『最強の人生相談』(東洋経済新報社)。息子であり、『最強の働き方』(東洋経済新報社)の著者であるムーギー・キム氏との共著に、『一流の育て方 ビジネスでも勉強でもズバ抜けて活躍できる子を育てる』(ダイヤモンド社)がある。ミセス・パンプキンへの相談は、こちらのメール、あるいは相談受付サイトで受け付けています。なお相談件数多数につき、過去に類似する相談があった場合には取り扱いません。ぜひ、これまでの連載をご参照ください。男性からのご相談も歓迎しております!

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