2025年「黒子化する」銀行が生き残る5つの条件

もう一度「ワクワクする」就職先に変わる方法

デジタル化で未来の銀行はどうなるのでしょうか(写真:altmodern/iStock)
厚生労働省は現在、デジタルマネーでの給与支払いの解禁に動いている。「給与振込指定口座」を押さえていることは、これまで銀行の個人取引における絶対的な強みだった。しかし、デジタルマネーで個人が保有するウォレット(電子的な財布)に直接給与振り込みが行われるようになれば、その強みが失われる可能性が見えてくる。
デジタルマネーの扱いに慣れた若年層にとっては、ウォレットのほうが便利だからだ。クレジットカード利用額の引き落としのために、ウォレットから銀行口座に「チャージする」……。10年後にはそんな未来が待っているかもしれない。デジタル化が進むと、銀行はどうなっていくのだろうか。『BANK4.0 未来の銀行』を翻訳(共訳)したNTTデータ経営研究所の上野博氏が解説する。

黒子化する金融サービス

現在、自家用車を購入するとしたら、私たちはどのように考え、行動するだろうか。おそらくまず、自分の家族構成、クルマの利用の仕方や嗜好、経済状態などを念頭に置きながら情報収集をして、買いたいクルマの候補を絞り込んでいくだろう。そしてディーラーのショールームを訪ね、買いたいクルマが決まったら見積書を作成してもらう。

『BANK4.0 未来の銀行』(書影をクリックすると、アマゾンのサイトにジャンプします)

その際、ディーラーで「購入資金はどうされますか?」と尋ねられて、手持ち資金で全額を賄えないならば、借り入れを検討することになる。その場でディーラーが提案する自動車ローンを利用する人も多いのではないだろうか。最近は残価設定型ローンなど、利用しやすい商品も増えている。

近未来にはどうなるだろうか? 例えば、買いたいクルマを検討しているその場で、融資可能なローンの金額と返済条件が提示され、それにOKするだけで済むかもしれない(ただし、所有から使用への流れの中で、クルマを購入する人は減るかもしれないが)。

拡張現実(AR)メガネをかけていれば、視野の中にその情報が表示される。手持ちのスマホにメッセージが表示されることも考えられるだろう。これなら、ローンの申し込みや審査という手間が省ける。

次ページ商品やサービスは銀行の強みにならない
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