「メンズラブ」ドラマが今後ますます増える必然

女性視聴者の「眼福」需要の先にあるもの

後に、先駆けて「性同一性障害」の問題を取り上げるなど(2001~2002年の第6シリーズ)、比較的に時代を先取りした見識の下で制作されていた『3年B組金八先生』ですら、このような状態だったわけである。

あれから40年間、ゆっくりと状況は変わり続け、ゲイを題材にしたドラマは今やっと、ほんの少しだけ普及し始めたのだと見るべきではないか、それでも「LGBT層」の人口比率から考えると、「LGBTドラマ」はまだまだ少ないと見るべきではないか、と思うのだ。

セクシャルな表現のあるドラマが一般化して、「メロドラマ」という言葉が死語になった。また、都会的なドラマが一般化して「トレンディドラマ」という言葉が死語になった。だとしたら――。

「ゲイドラマ」「メンズラブドラマ」「LGBTドラマ」など、今回この原稿のためにあえて用いた造語が普及しないまま、でも実体としてのそういうドラマが支持を得て、一般化していくこと。それが必然で自然で、かつ健全な未来という気がするのである。

エンタメ界が描くべき未来とは?

『腐女子、うっかりゲイに告る。』の初回で、主人公の三浦紗枝は言う――「BLって 世界を簡単にしないための方法だと思うの」。

ということは、「世界を簡単にしないドラマ」=世界の複雑さをしっかりと表現したドラマが、もっと簡単に観られる世界へ。それこそがエンタメ界が描くべき健全な未来なのではないか。

(注)より新しい調査として、国立社会保障・人口問題研究所の研究グループが大阪市の協力を得て行った今年1~2月の調査では、「ゲイ・レズビアン」「バイセクシュアル」「トランスジェンダー」に当てはまる人は2.7%と低い結果が出ている。ただしこれらに「アセクシュアル・無性愛者」と「決めたくない・決めていない」を合わせると8.2%にのぼる。
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