奈良でリセット!大人のパワースポット3選 令和元年、運気を上げる奈良のお寺は?
文殊(もんじゅ)菩薩の代表的な作例といえば、安倍文殊院に安置されている国宝・渡海(とかい)文殊菩薩像です。獅子にまたがった7メートルの巨大な文殊菩薩と、それに従う個性的な風貌の4人の仏は、名仏師・快慶により制作されました。
この寺は、遣唐使・阿倍仲麻呂や陰陽師(おんみょうじ)・安倍晴明も名を連ねる、安倍一族の氏寺です。創建は大化の改新時と伝わります。
仲麻呂と晴明の両氏をまつっているのは、池の上に建てられた美しい金閣浮御(ふみ)堂。ここで参拝者は、厄災を払うための「七まいり」を行います。
この安倍文殊院がパワースポットといわれるのは、やはり陰陽師との関わりが大きいようですが、安倍晴明を詣でることによる厄除けをはじめ、文殊菩薩のご利益である合格や学業成就、境内にある白伽山堂での縁結びの効果などが期待できそうです。
また、境内には国指定特別史跡の文殊院西古墳や、「知恵の水」が湧くという閼嘉井(あかい)の古墳などがあります。季節ごとに移ろう花々の眺めもよく、見どころのつきないお寺です。
この寺にまつられる注目の仏様
実在の人物との説もある文殊菩薩はバラモン家の生まれ。出家し、釈迦の弟子となりました。
釈迦入滅後は、ヒマラヤにて500人の仙人の前で教えを説いたといわれ、今も清涼山で、1万人の菩薩を相手に説法を続けているそうです。
「三人寄れば文殊の智慧」ということわざにあるように、智慧を司る菩薩です。その智慧を象徴する逸話が、経典『維摩(ゆいま)経』に残されています。大乗仏教の奥義に精通していた聡明な維摩居士(こじ)に、釈迦の弟子でも議論でかなう者はおらず、いつも弟子は論破されていました。
あるとき釈迦が、病気になった維摩居士のお見舞いに文殊菩薩を遣わしたところ、両者は対等にわたりあったとのこと。
姿は基本的な菩薩形で、主に右手に剣、左手に経巻(きょうかん)を持ちます。
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