安倍政権で静かに進む「もう1つの増税計画」

温暖化対策税の大幅増税か炭素税導入を検討

日本でも、地球温暖化対策の議論が重ねられている。写真は東京電力の袖ケ浦火力発電所(2017年4月、編集部撮影)

2019年度予算案が3月27日、参議院で可決され、年度内に成立した。予算案は今年10月に消費税率を10%に引き上げることを前提とした内容で、約2兆円の消費増税対策も盛り込まれた。

4月1日以降は、10月1日以降に商品等を引き渡す商取引はすべて(軽減税率対象品目を除く)、消費税率を10%として契約を結ばなければならない。事実上、10%の新税率は4月1日から実施されることになる。

カーボンプライシングとは何か

仮に10月の消費増税を延期する場合、こうした契約を結び直さなければならないこととなり、商取引は大混乱する。当然のことながら、消費税率を10月1日に10%に引き上げないこととする法案を国会で審議し、可決しなければならない。そのためには、最低でも半月は時間を要する。その間、商品等を引き渡す日の税率が何%になるかが定まらず、契約すら結べないことになり、経済活動を停滞させる。10月の消費増税を今更延期することは実務的に困難だ。

さて、2019年度予算が成立した同じ日、環境大臣の諮問機関である中央環境審議会の地球環境部会カーボンプライシングの活用に関する小委員会の会合が開催され、地球温暖化防止に関する政策について議論した。

カーボンプライシングとは、炭素の価格付けのこと。温室効果ガス、とくに二酸化炭素(CO2)に価格をつけ、企業や消費者に対して排出量に応じた負担を求めることを通じて、CO2の排出削減を促す施策である。

カーボンプライシングには、政府による施策と民間企業の自発的な価格付けの2種類がある。民間企業の自発的な取組みは、企業が自主的に炭素に価格を設定し、投資などの判断の参考に用いるものである。政府による施策には、主に排出量取引と炭素税がある。

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