来年の年金給付が「増える」ことの代償は何か

社会保障費は5000億円超も拡大する可能性

もらえる年金が増える代わりに、国の社会保障費は膨張し続ける(写真:dorry / PIXTA)

来年度予算編成が佳境に入っている。来年度予算案には、2019年10月の消費増税に伴う増収分が盛り込まれる予定である。それに伴う消費の反動減対策として、プレミアム商品券とか、キャッシュレス決済でのポイント還元とか、住宅エコポイントの復活とか、バラマキ的な財政支出の大振る舞いの話で賑わっている。

軽減税率が適用される飲食料品と新聞は、来年10月以降も消費税率は8%のまま据え置かれる。軽減税率が適用される品物は、増税されないのだから、増税による消費の反動減は生じない。それでも、「反動減対策」で恩恵が受けられるようにすることにするのだろうか。

11月20日に、財務大臣の諮問機関である財政制度等審議会が取りまとめた、「平成31年度予算の編成等に関する建議」では、消費税率引き上げ前後の消費を平準化する方策については、「効果的、効率的かつ将来的な財政の膨張につながらないようなものでなければならない」と提言している。それを踏まえた予算案になるかが、焦点の1つである。

骨太方針2018に数値目標はなかった

2019年度予算案のもう1つの焦点は、社会保障費の増加がいくらになるかである。そもそも、少子高齢化によって社会保障費は年々増加しているが、その増加をいかにうまく抑えるかがカギとなっている。必要な社会保障給付は出さなければならないが、不必要に増加すれば、国民負担が増大する。

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安倍晋三内閣では、2016年度から2018年度までの3年間で、国の社会保障費の増加を1.5兆円に抑える目安を立て、それを実現した。2019年度以降も、その基調を維持するのか否か。その点について、今年前半の政策決定で激しい攻防が繰り広げられた。その顛末は、本連載の拙稿「骨太方針から『数値目標』が削除された真意」で記した通りだが、今年6月に閣議決定された「経済財政運営と改革の基本方針2018(骨太方針2018)」では、2019年度から2021年度までの3年間の社会保障費の増加を、1.5兆円にするというなどといった数値目標は、一切明記されなかった。

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