骨太方針から「数値目標」が削除された真意

「3年で1.5兆円増に抑制」はこうして消された

社会保障関係費の膨張で財政健全化への道筋は厳しくなっている(厚生労働省のある中央合同庁舎、写真:route134 / PIXTA)

6月に政府が取りまとめる「経済財政運営と改革の基本方針」(いわゆる骨太方針)には、新たな財政健全化計画が盛り込まれる予定である。その内容について、目下、政府・与党内で議論が活発に行われている。

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新たな財政健全化計画での大きな焦点は2つある。1つは、2020年度に達成を目指していた基礎的財政収支(プライマリーバランス)黒字化をいつまで先送りするか。

もう1つは、その黒字化を達成するために、どのような歳出改革を盛り込むか、である。特に後者については、数値目標を明示できるかが焦点となっている。

数値目標は、2015年6月に閣議決定された「骨太方針2015」に盛り込まれた「歳出改革の目安」に由来する。第2次安倍晋三内閣以降の当初3年間で、国の一般歳出の総額の実質的な増加が1.6兆円程度となっていること、うち社会保障関係費の実質的な増加が高齢化による増加分に相当する伸び(1.5兆円程度)となっていることを踏まえて、2016~2018年度においてその基調を継続させていくこととした。

「歳出改革の目安」として示された金額、つまり国の一般歳出で1.6兆円の増加、うち社会保障関係費で1.5兆円の増加が、数値目標と位置付けられ、その目安は2018年度予算までに達成された。

黒字化の達成時期は2025年度か

1つ目の焦点である基礎的財政収支黒字化の新たな達成時期については、各種メディアが報じているところによると、2025年度になることが有力視されている。つまり、目標達成を5年先送りするということだ。

その評価は、分かれている。そもそも、基礎的財政収支黒字化という目標をやめよという意見もある。しかし、安倍内閣として、2017年12月8日に「新しい経済政策パッケージ」の中で、「プライマリーバランスの黒字化を目指すという目標自体はしっかり堅持する」と明記して閣議決定している。これで、決着はついている。この目標をやめる選択は、安倍内閣にはない。

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