森友問題は消費増税の三たび延期にも波及するのか――。
3月12日、財務省は、学校法人森友学園への国有地売却に関する決裁文書に”書き換え”があったことを認める調査結果を報告した。その中で、書き換え前の文書には安倍晋三首相の妻・昭恵氏に関する記述があったが、書き換えの際に削除されていたことも明らかとなった。
財務省内で決裁文書の書き換えが行われたことで、公文書の信頼性、ひいては民主主義の根幹を揺るがす事態に発展した。
そして、財務省の信頼に傷がついたことで、2019年10月に予定されている「消費税率の10%への引き上げが困難となった」との見方がある。しかし、事はそう単純ではない。
佐川氏は財務省をかばう必要がなかった
財務省における書き換えは、誰のために行われたことだろうか。
財務省内で誰もかばう必要がなければ、書き換えなどする必要もない。ましてや、虚偽有印公文書作成罪などに問われるおそれのあることを、官僚が自ら進んでするはずがない。今のところの説明では、3月9日に辞任した佐川宣寿・前国税庁長官が理財局長時代に行った国会答弁と、つじつまを合わせるために決裁文書を書き換えたという。つまり、佐川氏をかばうために、決裁文書を書き換えたとも解せる説明だ。
では、佐川氏がなぜ、決裁文書の書き換えを必要とするような答弁をしたのか。
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