大揺れ森友政局、安倍1強政権は耐えられるか 「佐川斬り」も火に油、絶体絶命の財務省
権勢を誇る安倍晋三首相の泣き所として1年以上もくすぶり続けてきた森友学園問題はここへきて急展開、永田町に衝撃波がひろがった。3.11東日本大震災の満7年に重なった「森友政局」による激震が、安倍1強政権を窮地に追い込みつつある。
北朝鮮危機打開での米朝首脳会談開催合意という世界的ビッグニュースも同時に進行し、政権基盤を揺るがす「想定外の危機」が、永田町の枠を超えて「1強政治の歪み」への国民の不信といらだちをかき立てている。
「トカゲのしっぽ切り」
確定申告の締め切りを6日後に控えた9日夕、政府は佐川宣寿国税庁長官の辞任を認めた。森友問題での一連の対応による混乱を理由に佐川氏が自ら申し出たとしているが、事実上の安倍政権による更迭だ。
国会での同氏への証人喚問要求が高まる中での突然の"佐川斬り"に、野党側は「トカゲのしっぽ切り」と一段と政権攻撃を強めている。次なる標的は、佐川氏の上司の麻生太郎副総理兼財務相。当人は「(進退は)今、特に考えているわけではない」とはぐらかすが、与党内にも「いずれ、辞任は避けられないのでは」(閣僚経験者)との不安が広がる。
当面の最大の焦点は森友問題での国有地取引に関する「公文書書き換え疑惑」の黒白の決着だ。担当閣僚の麻生氏は「国会に対する週明けの調査結果公表」を約束したが、「もし、結果がクロなら、財務相辞任どころか政権全体が火だるま」(自民幹部)になるのは確実だ。
その場合、首相の目指す9月の自民党総裁選での3選と、その先に見据える憲法改正実現にも赤信号が灯る。一方、5月までの開催で調整が進む歴史的な米朝首脳会談の、「重要なバイプレーヤー」(外務省)としての首相の役割への悪影響も出かねず、「政権が体力を失う」ことにもつながる。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら