「変化を恐れるな」ホーキング博士最後の警句

AI時代に人間に課せられた役割とは何か

来るべきAI時代に人間はいかに最新テクノロジーに対峙していくか(写真:bestdesigns/iStock)
「車いすの天才科学者」として知られた故ホーキング博士は、生涯をかけてまだ誰も解明していない宇宙の起源、人類の未来などの「難問」への思考を続けた。
生前最後の書き下ろしとなった「ビッグ・クエスチョン」には、人類が直面する不可逆的な変化にむけてどのように向き合うか強いメッセージが込められている。本稿では「AI時代の人間の役割」から一部を抜粋し、AIと人間の関係の未来を解説する。


 2025年までには、地球上には人口1000万人を超える巨大都市が30ほど存在するようになるだろう。その住人たち全員が、商品とサービスがほしいときに提供されることを望むなら、テクノロジーは、インスタントコマースへの強い要求に応えるために役立つだろうか? ロボットはオンライン取引を確実にスピードアップしてくれるだろう。だが、ショッピングのあり方に革命を起こすためには、あらゆる注文に対して即日配達できるほど、ロボットがすばやく行動する必要がある。

自分の身代わりロボットは荒唐無稽ではないかも

その場にいなくとも、世界と相互作用できる機会は急速に増加している。ご想像のように、私はそれを良いことだと思っている。なにしろ都市生活は誰にとっても忙しい。一緒に仕事をこなしてくれる、もうひとりの自分がいたらと、あなたはこれまで何度思っただろうか? 自分の身代わりロボットを作るというのは欲張りな夢だけれど、最新のテクノロジーを見るかぎり、一見したときに思うほど荒唐無稽な考えではないのかもしれない。

私が若かった頃、テクノロジーの進歩が指し示す未来は、みながもっと余暇を楽しむ世界だった。しかし現実には、テクノロジーが発展するにつれてできることが増え、人はどんどん忙しくなった。都市にはすでに私たちの能力を拡張してくれる機械があふれているけれど、もしも自分が同時にふたつの場所にいることができたらどうだろう? 

自動化された音声は、電話や公共のアナウンスですっかりおなじみになっている。発明家のダニエル・クラフトは、外見を複製する方法を研究中だ。問題は、アバターがどれほどの説得力を持ちうるかだ。

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