世界中のエリートの働き方を本にまとめてみた グローバルエリートがついに書籍デビュー

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下品な暴露本へのアンチテーゼ

デビュー作を書くにあたって、まず何より心がけたのは、率直で公平な執筆スタンスである。

業界出身者が書いた本にありがちな、業界を過度に揶揄したり、読者の溜飲を下げるために大げさにけなしたり、過激な表現を多用したり、といった下品な暴露本にはならないよう心がけた。

ここだけの話、「業界の暴露本を書いたら?」とか「もっと刺激的な表現のほうが読者に受けるよ」というアドバイスを多方面(東洋経済を除く)から受けたが、すべて跳ね除けて愚直なまでにフラットな書き方をしたつもりだ。

なぜなら、私はこれらの業界・会社で働く機会を受けたことに心より感謝しており、尊敬と愛情を抱いているからである。どんな仕事であれ、そこで一生懸命誇りをもって働いている人がいるのに、「一般読者にはわからないから」とデタラメを書いたり、誇張してバカにするような書き方をしている本を私は好きにはなれない。

本書で業界の問題点を書くような箇所があれば、それは私の属した会社とは一切無関係であり、業界の一般論に対する個人的な見解だと思って読み進めていただきたい。

本書のコンセプトは「インターテインメント」

もうひとつ、本書のコンセプトとして意識したのは「インターテインメント」である。

「インターナショナル(国際性)」「インテレクチュアル(知的)」「エンターテインメント(恋愛や結婚の比喩で楽しく勉強)」の3つが合わさった「インターテインメント」の読み物になるようを心がけた。

1:インターナショナル(国際性)──グローバルエリートたちからのキャリアアドバイス

まず、私が外資系金融機関やコンサルティングファームで働いただけでなく、フランスや香港、シンガポール、上海でも暮らしてきたという極めて豊かな国際性(インターナショナル)である。バックパック旅行が趣味で東欧、北欧、東南アジア、チベット、インド、アフリカまで世界中を訪れた経験だけでなく、海外勤務とMBA留学で培った80か国に広がる人脈は、本書を執筆するうえで大いに活用した。

MBA留学ではインシアード(INSEAD)のフランスキャンパスとシンガポールキャンパスに加えて、交換留学で中国のCEIBS(中欧国際工商学院)でも学んだ。

本書には、世界中に散らばるトップエリートの友人たちが送ってくれたキャリアアドバイスも掲載しているが、これだけでもかなり珍しいと思われる。彼ら彼女らの生の声を、ぜひ感じ取っていただきたい。

2:インテレクチュアル(知的)──世界中のエリートの働き方をわかりやすく体系化

次に、たんに世界中のエリートたちの仕事ぶりを紹介するだけでなく、一般ビジネスパーソンの仕事のヒントになるように工夫した。

まずエリート業界の中でも「業界のエース」と呼ばれるトップエリートたちがやっている「働き方」を体系化し、一般化しながらわかりやすく解説している。

続いて「二流のエリートにも学ぶところはある」という項目では、業界内ではいまひとつパッとしないものの、なぜかしぶとく、いつまでも生き残りつづけている人たちから学ぶべきポイント、反面教師的な教訓の数々を紹介している。

最後に、これらの業界への就職をめざす方々からよく受ける質問と答えをQ&Aでまとめているので、これらの業界で働きたい学生や社会人の方々にも有用な教訓に富んでいるだろう。

一般のビジネスパーソンの皆様はもちろん、現在外資系の投資銀行やコンサルティングファーム勤務、あるいは海外MBAに留学中の人が読んでも、十分刺激的な内容に仕上がっているはずである。

3:エンターテインメント(恋愛の比喩で楽しく勉強)──エリートのプライベート話も満載

最後にもうひとつ大きな特徴として、随所に散りばめられた恋愛・結婚にたとえた比喩、そして、エリートたちの仕事術だけでなく、エリートの恋愛・結婚・離婚といったプライベートの話にまで踏み込んでいることがあげられる。

これは一見とっつきにくいエリートたちの話題を、私たちに馴染み深い恋愛にたとえることで、できるだけ親しみをもって、わかりやすく、かつ楽しみながら読んでもらいたいと思ったからである。ただでさえ日ごろの勉強や仕事で忙しいのに、プライベートの時間を使って読んでいただく本まで小難しかったら、申し訳ないではないか。

また、あえて「特別編」を設けて、ビジネス書では異例のプライベートな素顔まで書いたのは、エリートたちのたんなる仕事の顔だけでなく、公私にわたった全体像から人生を豊かにするためのヒントをお伝えするためである。

「グローバルエリートは見た!」をご覧くださっている皆様にはお馴染みのことだが、本連載で一番人気があるのはエリート達の恋愛・結婚ネタである。デビュー作は著者のコアの分野で、、という編集部からのアドバイスに素直に従うなら、むしろこの恋愛ネタだけでデビューすべきだったか、と思うくらいだ。本書のいたるところで結婚や恋愛の喩え話が登場しているので、ビジネス書に関心が無い方、とにかく恋愛・結婚ネタが大好きな方にも大いに楽しんで頂けることであろう。

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