男女とも敬遠「女性管理職」への大いなる誤解 「名ばかり管理職」は損ばかり?

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女性管理職や女性役員の登用が増えることになれば、女性にとっては活躍の場が広がるチャンスです(写真:pearlinheart/PIXTA)  
ベストセラー『女性の品格』から12年。坂東眞理子・昭和女子大学理事長がいま考える、人生100年時代を納得して生きるために必要な「女性の美学」とは? 大人の女性の3大場面、「職場」「家庭」「社会」それぞれの場で女性の直面する問題にどう対応するか、この連載ではつづっていただきます。

新しい年が明けました。5月からは新しい年号になりますが、女性の活躍の舞台はさらに広がっていくでしょう。政府は女性活躍法を強化し、女性の採用数の公表拡大や行動計画の策定拡大を求め、女性管理職を増やそう、女性役員を増やそうと呼びかけています。

企業も女性の管理職を増やさなければならないとは思っています。もちろん本気で取り組んでいる企業もあれば、ご時世だから仕方ないと付き合っている企業もあり、温度差はありますが、それでも女性にとっては追い風が吹いているのは間違いありません。

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しかし、いまだに企業幹部の中には「女性管理職を増やしたいのだが、わが社にはそれだけの能力、経験を持った女性がいない」「女性を管理職にしようと声をかけてもしり込みする女性が多くて困る」と言う人がたくさんいます。

本当でしょうか。正確な統計はありませんが、女性たちは“前ほどは”管理職を恐れなくなり始めています。5年前、いや10年前に一度声をかけて断られた経験をもとに、「女性は管理職にはなりたがらない」と思い込んでいるとしたら大間違いです。

「名ばかり管理職」に魅力を感じない女性も

管理職へのオファーといっても本音のところではさほど期待していない、熱意のない声がけがまだまだ多いと、女性たちは感じています。「キミには無理かもしれないけれど、わが社にも女性管理職が必要だからやってみないか」という本心が見え見えの声かけだと、「私で務まるでしょうか、自信がありません」といなすのが普通です。本気で「君ならできる、やってみないか、問題があっても応援する」と言ってもらえるならば「及ばずながら、頑張ってみます」という女性は少なくないはずです。

残業代が減って管理職手当は大したことがないことも多いなか、責任は重くなるけれど裁量権は大きくない「名ばかり管理職」に魅力を感じる女性は、あまりいません。

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