組織の中で働いていると異動は避けられません。
私が長い間働いていた公務員の場合は2年で異動が普通でしたが、場合によっては1年で異動する場合もありました。異動の内示を受けると大抵「今の仕事をもう少し続けたいのに」と思い、気分が沈んだものです。「うれしいです、頑張ります」と心の底から言えた異動は十数回のうち4分の1もなかったと思います。
今になってみると恥ずかしいのですが、「いやだな、なんで私がこのポストにいかなければならないのよ、私には向いていない」、と渋々受けた異動もたくさんありました。ところがそうした不本意な異動が今になってみると新しい経験を積む場となり、思いがけない出会いをもたらし、自分の可能性を広げてくれました。
若いうちは異動オファーを積極的に受けたほうがよい
人間誰でも新しい仕事をするのは怖くて不安です。期待される水準の仕事をちゃんとできるかどうかわからない、新しい職場にどんな意地悪な人がいるかわからない、同じ仕事を続けていればそこそこの成果は出せるのに、なんでわざわざ新しいことをして苦労しなければならないのか。
男性の場合はこのポストをこなせばあの仕事ができるようになる、あのポストは将来に続く登竜門だ、というキャリアパスが見えていますが、女性の多くは将来のキャリアパスが確立していません。この仕事は自分の将来と結び付くのかわからないというのも不安の原因です。
しかし長い職業生活を経験した今になってみると異動のオファーは積極的に受けたほうがよいと断言できます。とりわけ30前後までの若いうちはいろんな種類の仕事を体験し自分の可能性を広げるべきです。逆にまだ20代のうちから「私はこれがしたい、これができる」と主張しすぎるのは大変もったいないことです。
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