「私だけ損してる」と舌打ちしたい女性たちへ 子育て中の女性ばかり優遇される世の中で

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損ばかりしていると嘆く女性に、坂東眞理子さんが伝えたいこととは(写真:metamorworks/iStock)
ベストセラー『女性の品格』から12年。坂東眞理子・昭和女子大学理事長がいま考える、人生100年時代を納得して生きるために必要な「女性の美学」とは? 大人の女性の3大場面、「職場」「家庭」「社会」それぞれの場で女性の直面する問題にどう対応するか、この連載ではつづっていただきます。

不公平感にとらわれている女性は少なくない

働いていて「私ばかり損している」という思いにとらわれる。そんな女性はきっと少なくありません。

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子育てをしている女性は、出産休業、育児休業、子どもが6歳までの時短などと職場で手厚い保護を受けます。その分をカバーするのは、独身の女性や子どものいない同僚の女性だったりします。「同じ女性でも子どもがいないと損だな」。そんな声をたびたび耳にしてきました。

育児休業で休んでいる時は目につかなくても、子育て中の女性は復帰してから後もやれ子どもが風邪を引いた、保育所の保護者会だ、運動会だと休みがちです。しかも会社も社会も子どもを持つ女性に優しく、温かく対応しているように見えます。それに甘えて、ワーキングマザーの中には「自分たちは、すごーく頑張っている。私はエライ」と自己満足し、休みを取るのも当然の「権利」と要求し、幸せをみせびらかす人がいます。その陰で大変な思いをしている自分たちを忘れているのではないか、と神経に触るのです。

子どもを持たない女性だけでなく、子どもが大きくなっている女性も、今子育て中の女性たちに複雑な思いを抱いていたりします。「私たちの時は今ほど制度が整っていなくて大変だった」「職場に迷惑をかけないように肩身の狭い思いをし、必死で頑張ったのに、今の人たちときたら大きい顔してラクしている」という思いを持っている人も少なくありません。

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