結婚するなら「いい人」44歳女性が達した境地

2度の離婚を経てたどりついた答えは…

しかし、彼はミュージシャンとして生活することができず、過酷な労働条件の会社で働いて疲弊していく。祥子さんは不器用な彼にもどかしさを感じながらも支えていた。いつの間にか母親に似ている自分に気づいた。

そんな祥子さんに申し訳ないと思ったのだろうか。彼が家を出ていって2年間の結婚生活が終わった。

「もう1回結婚するぞ、と思って少しだけ考えました。親への反発心で自由な人と結婚して失敗したのだから今度は自分のフィーリングで相手を選ぼう、と」

飲み屋で知り合ったのが2番目の夫になる3歳年上の貴明さん(仮名)だ。外資系金融機関に勤めていて、カウンターで居合わせた人全員にごちそうしてしまうような気前のよさ。博識だが威張ったりはしない。当然、モテる。祥子さんもすぐに貴明さんに好意を抱き、付き合って半年で結婚した。

「父が病気で亡くなる直前の時期だったこともあり、支えが欲しかったのだと思います。でも、結婚前からセックスレスになり、すぐにほかの女性がいることがわかりました。彼のカバンの中から私とではない旅行のチケットが2枚出てきたんです」

貴明さんはそのままほかの女性の元へ行き、家には帰ってこなかった。争うことなく離婚が成立。1人に戻った祥子さんはまた「少しだけ」考えた。

「夢追い人もダメで、フィーリングで選んだ人とも離婚してしまいました。ならば今度は『いい人』を見つけようと思ったんです」

『ドキドキ』ではなく『慣れ親しんだ安心感』

いい人の定義はさまざまだが、祥子さんにとっては堅実さと誠実さを兼ね備えた男性だ。ドキドキするような恋愛感情ではなく、慣れ親しんだものを思い出させてくれるような相手。祥子さんは仕事仲間の洋二郎さん(仮名、48歳)にそれを感じたのだ。

「仕事で知り合ってきちんと話してみたら、親が会社をやっていたなどの共通点があることがわかりました。金銭関係はすごくしっかりしている人です。(前夫の)貴明さんは収入も支出も多くて、面白いからという理由だけで8万円の炊飯器を買ってしまうようなタイプだったので、すごく違いを感じました」

亡き父親も「お買い得」が好きで、ムダ金はいっさい使わない人だった。趣味は車だが、不要な買い替えはしない。愛車を長く大事にし、新車を買うときは吟味し尽くすプロセスを楽しんでいたのだろう。若い頃の祥子さんはそんな父親を疎ましく思っていたが、現在の夫である洋二郎さんも車好きの倹約家である。

「同居している母からも『洋二郎さんはお父さんにそっくりだね』と言われることがあります。うちの兄よりも、血のつながっていない洋二郎さんのほうが父に似ているのは不思議です」

結婚当時は42歳だった洋二郎さん。仕事中心に生きてきたけれど40歳を過ぎて結婚したくなり、近くにいる美人の祥子さんに心惹かれたようだ。祥子さんの仕事ぶりを見て、「この人ならば1人でも生きていける」とも感じたらしい。

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