結婚するなら「いい人」44歳女性が達した境地 2度の離婚を経てたどりついた答えは…

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あなたは1人でも生きていけそう――。責任感を持って働く独身女性ならば数えきれないほどぶつけられる言葉だろう。必ずしも「だからあなたは結婚できない」という意味ではないところに注意してほしい。現代のアラフォー男性は結婚相手の女性に経済的・精神的な頼もしさを要求することも多いのだ。

お互いに1人でもなんとか生きていけるからこそ、夫婦になって支え合えば子どもを養うゆとりが生まれるかもしれない。真面目な男性はこれぐらい現実的な感覚で女性を見つめている。また、対等な関係で語り合い、高め合えるパートナーとしての伴侶を求めている男性も多い。

祥子さんの話に戻ろう。結婚の1年後には息子が生まれ、その3年後には介護が必要となってきた母親との同居を始めた。現在は、居間だけは母親と別の一軒家での4人暮らしだ。

「次男なのに王子様のように育てられた夫は家事ができません。でも、私がお願いした作業はやってくれるので不満はありません。高齢の母に家事をしてもらって平然としていたときは『おばあちゃんにやらせるな!』と叱りましたけどね。子どもとは何時間一緒にいても平気な人なので、温めて食べる料理だけ用意しておけば、私が出張で2日ぐらい自宅にいなくても大丈夫です」

家庭では祥子さんがリーダーだが、仕事面では尊敬し合う関係を保っている。2人は同じ業界で働いているが得意分野は異なり、一緒に働く機会はない。

「彼は大勢の人の前で話す私を『すごいね』といつも言ってくれます。私は50歳近いのに新しいことにもチャレンジしている彼を見習いたいと思っているところです」

2度の離婚経験があるからこそ「ありがたい」と思えることもある。洋二郎さんとは一緒に生活をしていて不安を感じることがないのだ。

「2回の結婚生活はつねに不安の只中にいました。彼は今夜こそ帰ってくるのかな、将来はどうなるんだろう、と。今の夫は人としての筋が通っているので、安心できるし信頼もしています。何があってもちゃんと私たち家族のところに戻ってきてくれると確信できるのです」

晩婚とは“自分にとってのいい人”探し

再び冒頭の質問に戻る。「晩婚さん」になるためにはどうすればいいのか。多くの独身者が突き当たる壁は、年齢を重ねるほどに「条件」と「気持ち」の両方を満たす相手に出会いにくくなることだ。スペックでお互いを検索してお見合いをする婚活では気持ちが追いついていかない、と嘆く男女は少なくない。

祥子さんの場合は、「父親とは正反対の人」という条件で最初の結婚相手を選んで失敗した。次は自分の恋愛感情に従って結婚したが、その相手は家庭生活にはまったく向かない人だった。

彼女が手痛い経験をしながら行きついた結論は「いい人」だった。世間体のいい人、ではない。自分の仕事と状況を理解してくれて、離婚歴も気にせず、堅実に誠実に向き合ってくれる人だ。

“自分にとってのいい人”はどんな相手なのか。あれこれ考えているだけでは答えは出ない。行動をし、ときには悲しい思いを味わいながら、少しずつ明確になっていくのではないのだろうか。

大宮 冬洋 ライター

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おおみや とうよう / Toyo Omiya

1976年埼玉県生まれ。一橋大学法学部卒業後、ファーストリテイリングに入社するがわずか1年で退社。編集プロダクション勤務を経て、2002年よりフリーライター。著書に『30代未婚男』(共著、NHK出版)、『バブルの遺言』(廣済堂出版)、『あした会社がなくなっても生きていく12の知恵』『私たち「ユニクロ154番店」で働いていました。』(ともに、ぱる出版)、『人は死ぬまで結婚できる 晩婚時代の幸せのつかみ方』 (講談社+α新書)など。

読者の方々との交流イベント「スナック大宮」を東京や愛知で毎月開催。http://omiyatoyo.com/

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