01. 「元号」とは、日本を含む東アジアで使用されてきた独自の紀年法で、年を数えたり、記録する方法のこと
02. 日本では「年号」と呼ばれることもあるが、明治時代以降、公称としては「元号」が法的用語となっている
03. 特定の年代につけられる称号で基本的には〈年〉を単位とするが元号の変更(改元)は年の途中でも行なわれる
04. 世界の紀年法のうち、西暦やイスラム紀元などは無限にカウントが続くが、元号は〈有限〉である
05. 元号を最初に用いたのは中国・前漢の武帝といわれ、君主が空間のみならず時間まで支配する思想に基づく
06. 武帝は紀元前140年に「建元(けんげん)」という元号を創始し、以来、中国では「清」まで元号が用いられた
07. 古代中国の政治制度に影響を受けたベトナムや朝鮮、日本などは、その元号制度も取り入れることになった
08. しかし中国では1912年に清王朝が滅び、皇帝が不在となったことで元号の使用をやめている
元号を使用しているのは現在では日本のみ
09. 時代とともにベトナムや朝鮮でも制度が変更され、現在、元号を使用しているのは日本だけである
10. 日本で最初に元号が使用されたのは、『日本書紀』によると645年に起きた〈大化の改新〉の「大化」である
11. 中臣鎌足、中大兄皇子らによって行われたこの改革で、旧来の豪族中心から天皇中心の政治へと移り変わった
12. 大化は日本初の元号となり、それ以降「日本」という国号と「天皇」という称号の使用も始まったとされる
13. 7世紀中後期には断続的に元号が用いられたと『日本書紀』にはあるが当時の木簡などでは確認されていない
14. その理由として、7世紀後半の日本はまだ元号よりも〈干支〉使用のほうが一般的だったと考えられている
15. 日本で元号使用が継続的になったのは、飛鳥時代の701年に文武天皇が「大宝(たいほう)」を建元してから
16. 続く、奈良時代(710~794年)は「霊亀(れいき)」に始まり「延暦」まで12の元号が使用された
17. 東大寺の建立で知られる聖武天皇は在位中に「神亀(しんき)」「天平」「天平感宝」の3つの元号を使用した
18. 日本の元号は中国古典を出典に〈漢字二文字〉が習わしだったが、聖武天皇は初めて漢字四文字を使用した
19. 同749年には孝謙天皇の即位で「天平勝宝」に改元されたが、「天平宝字」「天平神護」「神護景雲」と継続
20. 「神護景雲」は称徳天皇時代の770年に終わるが、これ以降、日本で〈四文字〉元号が使用されたことはない
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