世界で日本だけが「元号」に固執し続ける理由 このガラパゴスな慣習はいつまで続くのか?
2019年4月に天皇の「御代替わり」を控え、元号をめぐるネット上での「大喜利」が止まらない。2018年1月には安倍晋三首相が「新元号は日本人の生活に深く根差すものに」との方針を示したことから、平成の次の元号には「忖度」や「残業」「寿司」はどうか、といった議論が盛り上がった。
さらに、「元気モリモリご飯パワー」というような突拍子もない候補やキラキラネームならぬ「キラキラ元号」は是か非か、といったテーマにいたるまで自由に議論されている。
いや、「議論」というよりも、もはやネタとして元号で遊ぶ「元号のカジュアル化」が進んでいる。その一方で、こうした流れに抗う動きが保守派から出ている。
共同通信は同年6月5日、以下のような記事を配信した。
同懇談会は、「新元号については『平成(であるうち)に公表されれば、現陛下と新陛下の二重権威を生み出す恐れがある』と指摘した」とのことなので、元号が「天皇陛下の権威を示す記号だと位置付けている」様子がうかがえる。
では、元号は今もなお天皇の権威を示す記号なのか?
戦前までは「元号」と「天皇」の関係は強かった
日本のように現在も「元号制度」を採用している国はほかにない。そもそも元号制度は、紀元前140年に中国・前漢で生まれた世界最初の元号である「建元」を由来とする。古代中国は当時のアジアの文明国。過去には日本以外にも、ベトナムや朝鮮半島なども元号を取り入れた。
日本では、西暦645年の「大化」にはじまり「平成」にいたるまで247の元号がある。明治以後は「一世一元」、つまり、ひとりの天皇についてひとつの元号に限るため、改元は天皇の御代替わりの際にしか行われない。これは保守派が主張するように、元号を天皇の権威を示す記号として位置付けるためだ。
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