黒板を黙々と書き写す板書の大きすぎるムダ 成績がいい子はノートの取り方にコツがある

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以下、お子さんに次の2つのことを話してあげてください。

1) 蛍光ペン、色ボールペンをノートに使って自由に“遊べ”

蛍光ペンや色ボールペンを使うと、特に子どもは面白さを感じるようになります。しかし、これらの文具を使って、ただの落書きをするのではありません。「超重要は赤」「ちょい重要はオレンジ」という感じで、蛍光ペンでノートに書いてあることで重要そうなところ塗っていくのです。

その時、蛍光ペンの使い方と色ボールペンの使い方を教えてあげてください。蛍光ペンは塗るためのもの、色ボールペンは字を書くためのものということを知らない子も意外といます。

蛍光ペンで字を書いてもいいですが、見にくいため効果的ではありません。ボールペンで下線を引くということもありますが、蛍光ペンで塗ってしまったほうが目立ちます。つまりノートをインパクトのあるにぎやかなものにしていくのです。そうすると、ただ板書を書き写すという“頭を使わない作業”から“頭を使う勉強”へとシフトする可能性が高まります。実はこれを始めると楽しくなります。勉強というよりも遊びに近い感覚になります。それが子どものモチベーション(やる気)に火をつけるきっかけになることもあります。

2) 黒板に書いてあること以外(先生がしゃべったこと)をノートにどんどん書く

先生が話した面白いことでもいいですし、吹き出しの書き方を教えてあげて「ここ、ちょうたいせつ!」とノートに書いてもいいでしょう。現在小2ということですので、あまり高度なことはできないかもしれませんが、要するに黒板に書いていあること以外をメモするという習慣を作ってしまうということです。話を聞いていないとこれらは書けませんし、理解できなければ、「ここぜんぜんわからない!」と書いておけばいいのです。そうすれば先生や親がノートを見たときに、子どもの状態を把握できたりもします。

オリジナルノートにしていく子は、成績が上がっていく

実は、この「黒板に書いてあること以外を書く」習慣がある子どもは、すこぶる成績が良いのです。それは中学、高校で顕著になります。筆者はこれまで3500人以上の子どもたちを指導してきた経験からも、そのような傾向がありましたし、また、東大の大学院で見た東大生のノートの取り方にも共通点がありました。

もちろん、そのようなことをしなくても、成績が良い子もいますが、ノートをただ周囲の人と同じものを書いているだけではなく、オリジナルノートにしていく子は、成績が上がっていく傾向にあったのです。

このようなわずかなノートの取り方の差が、中学、高校、大学、社会人になっていくに従って、どれだけの差になっていくかを考えると、日常の単純なテイク・ノートは非常に大切な習慣だといえます。せっかくなら、単純作業をやらせるのではなく、面白く、楽しく、しかも学びに直結するノートの取り方をぜひ教えてあげてください。

石田 勝紀 教育デザインラボ代表理事、教育評論家

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いしだ かつのり / Katsunori Ishida

1968年横浜生まれ。20歳で起業し、学習塾を創業。4000人以上の生徒に直接指導。講演会やセミナーを含め、5万人以上を指導。現在は「日本から 勉強が嫌いな子を1人残らずなくしたい」と、Mama Cafe、執筆、講演を精力的に行う。国際経営学修士(MBA)、教育学修士。著書に『子ども手帳』『子どもを叱り続ける人が知らない「5つの原則」』、『子どもの自己肯定感を高める10の魔法のことば』ほか多数。

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