元ガンバ選手が目指す「リサイクル」の新境地 SOU嵜本晋輔社長にロングインタビュー

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(画像:SOU「成長可能性に関する説明資料」より)

嵜本:たとえば、私たちの競合である大手業者さんも、オークションに参加して数千万円分の商品を買っていかれることもあります。他社からしても、自分たちで仕入れることができればうちに来る必要はありません。しかし、われわれは買取に強みがあるので、他社が仕入れられない魅力的な商品を持っており、SOUから仕入れざるをえないのです。

他社ができなくて、SOUにできる理由

朝倉:他社から見れば、御社が存在することで、中間マージンが増えているという見え方もあるわけですよね。消費者から直接買い取ることができれば利幅が大きいはずですが、他社ができなくて、御社だからできるという理由はどこにあるのでしょうか?

嵜本:買取の量は、われわれが日本でトップクラスと思っています。ウェブマーケティングからリアル店舗への送客を、創業時から徹底的に磨いてきているため、また全国に63店舗、買取専門店を展開しているため、競合他社よりも集客力が強いのです。また、仕入れ量に加え、買い取る商品の質も高いと自負しております。

競合他社からすれば、自分たちが買い取れないものを、われわれが買い取っているため、商品のラインナップを整えるために、SOUから買っている状態ですね。

朝倉:なるほど。集客力が強みなのですね。それを他の事業者が追随できない理由はあるのでしょうか? たとえば、ウェブマーケティングだって、専門のチームを組めばできると思うのですが。

嵜本:他社のことなので想像も含みますが、古物商の多くは同じ店舗で買取も販売もしているので、リソースが分散してしまいます。

私たちは創業時から買取に特化しているため専門性が高く、改善の頻度も圧倒的に高いのです。店舗内装のクオリティ、コンシェルジュの接客クオリティなども、他社を圧倒するレベル感でお客様に提供できるように心がけています。

買取店を利用いただくお客様に納得いただきながらも、より高い粗利でより良い商品を買取できているところが、できそうでできないノウハウです。決定的にこれだというものは無いのですが、地道な努力を積み重ねた結果、集客の仕組み、リアル店舗への送客の仕組みが整っているため他社にはまねできない水準に達しています。そこが差別化のポイントだと思っています。

朝倉:今のビジネスモデルでいちばん重要な機能は、どれだけ買い取りができるか、ということになりますか?

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