元ガンバ選手が目指す「リサイクル」の新境地 SOU嵜本晋輔社長にロングインタビュー

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嵜本:しかし、これではメンバーの成長が止まってしまいます。本当は、彼らにも、いくらで売れたかまで興味を持ってほしい。そう考えて、2013年4月に自社オークションを立ち上げました。目の前で仕入れた商品が売れていく場を作れば、モチベーションが高まり、メンバーが成長していくんじゃないかと考えたんです。

朝倉:なるほど。人の育成という課題感からBtoBオークションを構想したわけですね。それまでの事業展開から考えると、オークションへの進出はけっこう大きなジャンプに見えます。

嵜本:そうですね、成功する保証がないなかでしたが、自社のリアル店舗で買った商品を、商品管理センター兼オークションルームに集約し、他社にBtoBで販売するようになりました。スタート時は2億4000万ほどだった出来高が、今では4日間で約15億円です。

われわれは消費者向けに買取専門店を展開していますが、このビジネスは、店舗数が増えるほど仕入れが増えます。そして、仕入れが増えるほど、オークションでの出来高も増えるので、買取店舗が増える度に成長している感じですね。

朝倉:年間のオークション開催日数や取扱高はどうなっていますか?

SOU社が主催するオークションの様子(写真:Signifiant Style)

嵜本:前期でいうと、国内については、毎月4回の定例開催で48日です。海外では3カ月に1回なので、4回です。なので、合計すると52日ですね。2018年8月期では国内・海外合わせて約200億の出来高となっています。

朝倉:出品商品はすべて自社で買い付けたものですか?

嵜本:はい。99%自社で買い付けたものです。

朝倉:なるほど。基本的には自分たちで買い付けたものを売っていくというモデルなわけですね。

嵜本:はい。こういった形態は、われわれ以前にこの業界にはありませんでした。従来の古物商は、一般消費者から買い取ったものを、一般消費者に売るのがほとんどです。

私たちはCtoBtoBで、事業者に商品を売り、売れ残った一部を一般消費者向けに販売しています。鮮度の高い状態で、古物商を営む事業者に対してオークション販売しているのです。ここが他社とは違う私たちの特徴ですね。今のところ、総売上の約95%がBtoBで、残りの5%ほどがBtoCによるものでした。

競合他社がオークションに参加する理由

朝倉:2013年に、自社オークションを始めたことでビジネスモデルが固まり、今に至るというわけですが、オークションに参加される小売業者はある意味ライバルでもあるわけですよね。

嵜本:買取の競合ですね。

朝倉:なのに、御社のプラットフォームサービスに乗っかるわけですよね。競合他社からすると、SOUはどのような存在なのでしょうか?

嵜本:一般消費者から魅力的なブランド品を買うという意味では競合です。ただ同時に、他社から見れば、われわれも魅力的な商品を仕入れるための取引先でもあるという関係です。

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