元ガンバ選手が目指す「リサイクル」の新境地 SOU嵜本晋輔社長にロングインタビュー
ブランド品の買取に特化したウェブマーケティング、リアル店舗による買取事業、自社開催のBtoBオークションなどを展開する株式会社SOU。ブランド品のリユースという考え方を浸透させ、ブランド品の売買に新たな価値を与える事業を展開しています。
現在のビジネスモデルにたどり着いた経緯や今後の事業構想について、嵜本晋輔代表取締役社長にお話を伺います。
2011年創業の株式会社SOUは、ブランド買取専門店「なんぼや」、予約もできる買取専門店「BRAND CONCIER(ブランドコンシェル)」、BtoBオークション事業「STAR BUYERS AUCTION」、BtoC販売事業「BRAND RESALE SHOW ZIPANG」「ALLU」、そして資産管理アプリ「miney」を展開し、ブランド品のリセールにおける細やかなニーズに応じる事業を広く展開している。2018年に東京証券取引所マザーズ市場に新規上場。証券コードは9270。
プロサッカー選手からブランド品買取事業の経営者へ
朝倉祐介(シニフィアン共同代表。以下、朝倉):本日はよろしくお願いします。まずは、事業内容と創業の経緯を教えてください。
嵜本晋輔(株式会社SOU社長。以下、嵜本):はい。高校卒業後、Jリーグクラブのガンバ大阪に入団して、プロとして3年間プレーしました。しかし、戦力外通告を受けて退団することになりました。
翌年、佐川急便に入社し、佐川急便大阪SCというチームで、午前中に仕事、午後からサッカーという生活を1年しました。その後、21歳でサッカー界から引退しました。
朝倉:21歳でサッカー選手からビジネスの世界に転身なさったんですね。
嵜本:そうですね。引退後は、父親が大阪で経営していたリサイクルショップを、2人の兄と一緒に継ぐことになりました。当時扱っていたものは電化製品、家具、オフィス用品、中古用品です。いわゆる街のリサイクルショップですね。
当時は大きくて単価の低いものを扱っていましたが、技術の進歩とともに利ザヤを取りにくい商材になってきました。そこで、今後の事業の柱になる新たな商材は何があるだろうと考えた結果、ラグジュアリーブランドがある意味でブルーオーシャンであることに気づきました。そういった経緯で、ブランド品の買取専門店を大阪で2007年にオープンしました。
MKSコーポレーションという会社で買取専門店「なんぼや」をオープンし、2009~2011年に新たに洋菓子、スイーツを作る部門も始めました。その事業が少しずつ成長しはじめ、兄2人が洋菓子に、私はリユースのほうにと分社化することになり、2011年12月に株式会社SOUを設立します。それから今期で8期目に入りました。