元ガンバ選手が目指す「リサイクル」の新境地 SOU嵜本晋輔社長にロングインタビュー
村上:mineyの取り扱い商材はどこまで増やすのですか?
嵜本:基本的には単価の高いものから優先的に取り組んでいこうと考えています。不動産、車、ワインあたりですね。そのへんはまだ自社のデータベースにないので他のプレイヤーの協力を得て、mineyアプリに蓄積するという形を想定しています。
村上:これまで、買取の分野には安心できるプレイヤーがおらず、価格だけで買い取り先が選ばれているような印象を持っていたのですが、御社の戦略を伺うと、今後も業界で強い存在感を持つことができそうですね。
売り手と買い手の情報格差が埋まってきているからこそ
嵜本:ありがとうございます。ただ、一般消費者もある程度、情報収集をして価格交渉をしてくるケースが増えています。当たり前のトレンドですが、売り手と買い手の情報格差が埋まってきているのですね。こうした傾向は、われわれにとって一定程度ネガティブに作用すると思っています。適正価格がオープンになり、買取側からの価格交渉がなかなか通用しない時代になってきます。
私たちの強みは価格交渉力が強いことでした。それも、情報の非対称性があったことに加え、コンシェルジュの接客力があったからです。ですが、その立場から得られる利益が徐々に小さくなってしまっていて、今後もっとネガティブに作用する可能性があると考えたため、逆にお客様に対して適正な価格をオープンにしていこうと考え、mineyを仕掛けている次第です。
買取が難しくなっていく傾向にあるので、正しいデータをきちんと取りにいくポジションにいこうという考え方ですね。
村上:これまでの買取のプレイヤーは、基本的には、商品ごとに粗利を確定されることを優先し、できるだけ在庫を持ちたくないというオペレーションマネジメントをしていたかと思います。
一方、御社の優位性となっているのは商品単位の粗利よりも、買取の信用力を優先させる戦略なのですね。この戦略が他社ではできないポイントなのでしょう。
嵜本:まさにそのとおりです。競合他社は川下の、最終購買者のパイの争いをしています。われわれは、売りたいと思う人に対して、買いますよというアプローチをしており、さらにまだ売りたいとすら思っていないユーザーをもっと川上で獲得していこうとしているのです。
朝倉:まだ市場に出ていないものを市場化する、マーケットそのものを作り出すという戦略なのですね。本日はありがとうございました。
(ライター:中村慎太郎)
バリュエンスホールディングスの株価・業績 は「四季報オンライン」で
記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
印刷ページの表示はログインが必要です。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら