元ガンバ選手が目指す「リサイクル」の新境地 SOU嵜本晋輔社長にロングインタビュー
嵜本:自分の資産を登録するだけで、その資産価値がレンジでわかり、過去から現在までの価格推移が株価のようにわかります。毎月2〜3億円の規模で資産登録数が増えています。さらに、1カ月に2〜3回出すプッシュ通知で、3〜5%の方がリアル店舗に売りに来られます。
もっと利用者の資産登録総額が増えるように仕掛けているので、200億、500億、1000億と積み上がったときにパーソナライズレコメンドを打って、3〜5%を取引化して、キャッシュに変えていく考えです。
投資家の方からは「リアル店舗って非効率じゃないの?」という質問が多いのですが、この商売って現時点ではリアル店舗がないと成り立たちません。そして3年後も、リアル店舗がまだまだ求められる状態だろうと考えています。
リアル店舗と自社運営のオークションがあるからこそ、他社が取れないBtoBのデータを取得することができます。そのデータを次のビジネスの柱にしていくという戦略なのです。さまざまな観点から可能性を見いだし、3〜5年後を見据えた一手を打とうとしています。
朝倉:取り扱っているデータそのものが価値の源泉になっていきそうですね。
BtoBオークションのビジネスを海外に展開する
朝倉:中国Alipay(アリペイ)のジーマ・クレジット(芝麻信用)の話が出ましたが、今後はこのような与信情報を持ったプラットフォームを展開する事業者が覇権を握るのではないかと思います。ただ、日本でそれができるプレイヤーが実は限られていますよね。
嵜本:私たちは買取を得意としているプレイヤーであり、買取で日本一を取り、世界一を取る戦略でいきたいと考えています。他社のように、一般消費者に向けてラグジュアリーな商品を売っていくのではなく、日本国内での買取力をもっと高めていきます。同時に、これから伸びてくる東南アジアなどでも買取という切り口で同じ地産地消型ビジネスができればと考えています。
個人からモノを買い取るときは、個人情報データが取れます。古物業法上、そこはデジタルではできない部分です。そこでデジタルとリアルを融合したようなサービスを構想しています。そうしたデータを与信にも活用してビジネスにできれば面白いことになると思います。
朝倉:日本で買い取って仕入れたものを海外で販売するということですか。それとも海外でも仕入れるんでしょうか?
嵜本:海外でも仕入れたいですね。確実に伸びてくると思っています。
逆に日本のオークションに参加する海外のバイヤーも増えてきています。一方で、私たちは香港でもダイヤモンドのオークションをしていますが、約7割がインド人で、約3割が中国人です。ここに日本人はほとんどいません。