元ガンバ選手が目指す「リサイクル」の新境地 SOU嵜本晋輔社長にロングインタビュー
村上:飛び込みが多いんですね。ウェブで見て、「そういえば店舗を近くでも見たことがある」と思い出すわけですね。
嵜本:そうですね。ウェブではA社、B社、C社と確実に比較されます。私たちが意識しているのはたとえば「ロレックス 買取」と調べるお客様と、「時計 買取」と調べるお客様の質が異なっていること。
「ロレックス 買取」で調べるお客様は「時計 買取」と調べる方よりも、より目的意識がはっきりしているので、ロレックス買取に作り込んだページを見せるべきです。そこの工夫でA社、B社、C社に競り勝ち、優先順位を高めていただきます。
次に必要となる情報は、現在地から近い店舗はどこかです。なので、全国の利便性の高い地域に、リアル店舗を仕込んでいるところです。
村上:ユーザー側の思考回路を理解して、先回りして準備しているのですね。
BtoCよりもBtoBを重視する理由
朝倉:御社は買取に注力しているからこそ、細やかなマーケティングができるとのことですが、素人考えでは販売も自分たちで行うほうが、BtoBオークションで販売するよりも高く売れるんじゃないかと考えてしまいがちです。あえてそこに注力されていないのはどうしてでしょうか?
嵜本:私たちが扱っているブランド品はある意味ナマモノであり、日々、資産価値が変動しています。むしろ、新製品も次々と出てくるので、価値は減少していく傾向にあります。
だからこそ、いつ売れるかわからないBtoCで販売するよりも、BtoBで鮮度の高い状態で売っていくほうが良いと考えているのです。また、在庫回転率を高くできれば、得た資金で、われわれのビジネスモデルにおいていちばん重要なリアル店舗を増やすことに注力することもできます。
利益率を高めていくために、BtoCも仕込んではいます。ただ、今の段階で重要なのはそれよりも仕入れと考えています。