元ガンバ選手が目指す「リサイクル」の新境地 SOU嵜本晋輔社長にロングインタビュー
朝倉:BtoCで最高値をつけることは追わないと割り切っていて、それよりも鮮度を重視しているわけですね。在庫の回転はざっくりどれくらいの速度ですか?
嵜本:2カ月くらいですね。BtoCをメインにしている他社は4〜5カ月のはずです。
朝倉:現金が先に出ていく事業なので、どれだけ早く売り、利益確定させるかが問われるわけですね。
村上:BtoC販売を行っている他社はどのくらいの粗利率なんでしょう?
嵜本:商材によって異なりますが単価の高い人気のある時計でも3〜5%ほどではないかと思います。アパレルだと40〜50%の可能性もありますが、時計に関してはオークションのほうが高いものもあります。
村上:つまり、御社が最終販売のCにアクセスしたとしても、回転率が悪くなるうえに、粗利が上乗せできないこともあるんですね。
嵜本:はい。基本的にこの業界の方は、「Cに売ったほうが高く売れる」と考えています。「Bに売ったほうが効率的だ」という考え方がないのですね。
相場のデータをしっかり持って、CとBのチャネルで売値や粗利率を比較できている企業が少なく、これまでの常識に従って惰性で売買しているプレイヤーが多い印象です。
朝倉:となると、規模を拡大してデータを蓄積することの効果は大きそうですね。
BtoBの販売データを積み上げる
嵜本:われわれの強みは、リアル店舗を展開しているからこそ高額商品を仕入れることができて、その高額商品をBtoBオークションで販売することができるという点にあります。BtoBの売買データはあまり世の中に出回っていない貴重なものです。それを一般消費者の方に見せているのが「miney(マイニー)」というアプリです。