元ガンバ選手が目指す「リサイクル」の新境地 SOU嵜本晋輔社長にロングインタビュー

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嵜本:そうですね。最重要ですね。一般消費者からの仕入れを制すればこの業界を制することができるくらいのインパクトがあります。後はオークションに流せば、ほぼすべて、利益を確定して販売することができます。われわれと同じビジネスモデルを構築しようという方もいますが、現在ではCPA(顧客獲得単価)も高くなっているため、単純に大きな資本が参入してウェブマーケティングに注力したとしても、リアル店舗がなければ高額商品は買い取れません。そのあたりは他の企業がまねしても追いつけないところなのかなと思います。

リアル店舗を出すことで費用対効果が高まる

朝倉:御社のビジネスモデルはリアル店舗がないと実現できないというお話がありましたが、最近ではオンラインの事業者がオフラインの側にビジネスの幅を広げようという動きもよく見るようになっています。

御社はもともとリアル店舗側でビジネスをされていて、そこにインターネットの集客を掛け合わせていこうとしたわけですよね。そうした転換には苦労もあったのではないですか?

嵜本:ブランド品の買い取りを始めた頃は、そういった集客の仕組みを作っている企業がありませんでした。ところが、紙媒体からインターネットへの広告数を増やしていくと、費用対効果が倍以上だとわかったので、2007年くらいからリスティング、SEOを強めていきました。

店舗を出せば出すほど費用対効果が上がっていくことがわかっていたので、その時点でウェブからリアル店舗へと送客する仕組みが重要だと確信しました。

(画像:SOU「2018年8月期決算説明会資料」より)

インターネット企業から見れば、リアル店舗を作ることは非効率に見られることもありますよね。でもリアル店舗がないと、高い商品は絶対に買えません。たとえばフリマアプリの場合 ですが、3万円や5万円でモノを売りたい人は多いのですが、買い手は高額の取引にリスクを感じてしまいます。信用が担保されていないマーケットでは1万円以上の高額商品はあまり動きません。

そのため、高額商品を売りたいお客様は、われわれのリアル店舗を訪れるんです。来店されてから約20分で商談を終えて、一顧客あたり平均で10数万円を支払っています。この即金性はリアル店舗ならではです。ただでさえブランドの高額商品の買取はCtoC、CtoBでもなかなか成り立ちにくい。だからこそリアル店舗が必要かつ重要だと考えています。

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