注意!ハラスメント当事者になる人の問題点 新人・若手がパワハラ加害者になることも

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対策が遅れている中小零細企業が実際は少なくないが、法律では、企業の規模にかかわらず、すべての企業はセクハラやマタハラの相談窓口を設置し、問題が起こった時は対処しなければならないし、問題が発生しないように防止対策を行わなくてはならない。

それに対して、パワハラについては、対策を義務づける法律はない。厚生労働省が開催した、2011年の「職場のいじめ・嫌がらせ問題に関する円卓会議」や2017年の「職場のパワーハラスメント防止対策についての検討会」などで、やっと「パワハラの概念」や予防のための取り組み例が示され、周知啓発をしている段階だ。

来年の国会で法制化を目指すとの報道もあるが、現在、事例を集めたり、労働政策審議会で議論している最中だ。厚生労働省は年内をメドに一定の結論を出すことを目指しているという。いずれにしても現時点では法制化されていないため、パワハラ対策は、企業の自主的な取り組みに委ねられている状況だ。

ハラスメント対策法は、事業主への体制整備がメイン

では、具体的なハラスメントの解決方法をみてみよう。セクハラやマタハラについては、多くの会社で、相談から解決までの手順を決めている。

たとえば、A社は最初の相談窓口は人事担当者に、B社は直属上司、C社は専門の委員会といった具合だ。調査の方法、解決方法なども、それぞれの企業に任されている。万一、自分が被害者になった時に備え、セクハラの解決手順やパワハラの相談体制が整っているのかどうかを確認しておくといいだろう。

仮に会社の解決体制が整備されていない場合や、会社側が窓口を開設していても、どうしたらいいのかわからないという場合もあるだろう。そうした場合、全国の労働局、労働基準監督署内など約380カ所に設置されている「総合労働相談コーナー」が相談窓口のひとつになる。社内に組合があれば、組合に相談するのもひとつの方法だ。さらに、ハラスメントが人権問題に及ぶような場合は、法務省の「みんなの人権110番(0570-003-110)」に相談するのも手段としてはある。

「セクハラ行為を働いた上司をクビにしてほしい」「精神的な苦痛を受けた。慰謝料を支払ってほしい」……。セクハラ相談で、加害者に対して、このような制裁を望む人は少なくない。

セクハラを行った社員に対しての処分は、それぞれの企業で定められている懲戒規定に基づき行うこととなるので、まずは会社の窓口に相談してみるといい。ハラスメントで、心身に支障をきたすなど大きな損害を受け、損害賠償を請求したい場合は、法テラス(0570-078374)などに相談する方法がある。 

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