残念な上司は無自覚なパワハラに気づかない 若者を病気や死まで追い込む深刻な職場問題

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指導の範囲を超えた人格攻撃はれっきとしたパワハラです(写真:JIRI / PIXTA)

5年前に佐川急便で働いていた当時22歳の男性社員がうつ病を発症した後に自殺したことをめぐる裁判で、仙台地方裁判所が労災と認める判決を言い渡した。男性の上司によるパワーハラスメント(パワハラ)がうつ病を発症させたという遺族の主張がおおむね受け入れられ、当時は労災と認めなかった労働基準監督署の決定が取り消された。

10月27日に仙台地裁から示された判決文やそれを受けた報道などによると、男性は上司にエアガンで撃たれたり、つばを吐きかけられたりする嫌がらせを受けていたほか、退職の希望も受け入れられず、それらが要因で男性は自殺に至ったようだ。

若手社員の自殺が労災認定された事件といえば、大きな波紋が続いている電通の女性新入社員だった高橋まつりさん(当時24歳)の過労自殺問題がある。高橋さんの場合も過重な長時間労働を強いられていただけでなく、職場の上司からのパワハラ・セクハラ発言も彼女を自殺に追い込んだ要因とみられている。

パワハラは職場内での地位や権限を利用したいじめ

法務省が企画し、人権教育啓発推進センターが制作した資料「企業における人権研修シリーズ パワー・ハラスメント」によれば、パワハラは法令上明確に定義されていないものの、一般的には「職場内での地位や権限を利用したいじめ」を指す。「職権などの優位にある権限を背景に本来の業務範囲を超え、継続的に、相手の人格と尊厳を心外する言動を行い、就労環境を悪化させる、あるいは雇用不安を与えること」などと言われることもあるという。

さらには「職場においては業務を円滑に進めるために、管理職に一定の権限が与えられている。時には必要に応じて部下に指導や叱責が行われるが、指導の範囲内であれば業務上認められる」(「企業における人権研修シリーズ パワー・ハラスメント」)。問題はそれに加えて人格攻撃したり、過度な目標に対する不達を叱責したりなど、権限を嫌がらせ(ハラスメント)に利用することにある。

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