「LINEいじめ」が職場でも起こってしまう理由 気を付けないとパワハラ、セクハラの温床に
社内ツールとしてのLINEグループ
「スタンプが嵐のように押されると正直しんどいです」
Hさんはうんざりした表情で語り始めました。「まだ立ち上げて3年にも満たないベンチャー企業ですから社長との距離が近すぎるんですよね」。
Hさんが勤めるのは東京都港区にある社員数20人のIT企業。業績の伸びに伴い、社員のうち10人以上はここ1年以内に入社したばかりで、Hさんもそのうちの1人です。入社してまもなくアプリ開発のチームに配属されたHさんは、上司からLINEのIDを求められ、ほどなくしてチームのLINEグループに入れられたそうです。
この会社には会社全体に加えて、チームごとにLINEのグループが設定され、社長以下の役員3人はすべてのLINEグループに入っているそうです。「業務としてルールを決めて使う分には非常に効果的だと思うんですよね」とHさんもLINEグループをツールとして評価しています。ただ、「盛り上がりすぎなのが自分にはつらいんです」
それは、社長の書き込みに対する皆の反応。「社長が何か書き込みをすると、深夜であっても『さすがです!!』『勉強になります!!』『ついていきます!!』といった書き込みが一斉に始まるんですよ……。全体グループにもなると、書き込み数も多いので、『自分も何か書かねば』と思うとしんどいです。スタンプがひっきりなしに入ることもあり、正直、今後ついて行く自信がありません」。
LINEの“ノリ”は人によって温度差があるため、時としてそれがトラブルへ発展してしまうことも考えられます。今後、Hさんがこの会社でやって行くためにはこういった“ノリ”と上手に付き合う必要がありそうです。Hさんのケースよりもずっと行き過ぎてしまうと、いわゆる“ハラスメント”を引き起こす温床となってしまいます。
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