「営業部女子課」の活動や人材育成の仕事で全国を巡り、各地の働く女性やその男性上司の皆さんと接していると、時折耳にする話があります。「良かれと思ってやったのに、部下から責められて問題になってしまった」「悪気はなかったのに、社内で処分を受けることになってしまった」……。いわゆる「職場トラブル」です。
よくよく話を聞いてみると、どのケースもことの発端は意外なほど些細なこと。裏を返せば「気を付けよう」と心に止めておかないと、誰もが「やらかしてしまう」可能性があるとも言えます。
安易なSNSやLINEの使用によるトラブル。社内の男女関係やハラスメントをめぐるトラブル。これらを避けて、本来の業務に集中するためにも、私たちはどんな点に留意すればいいのか? 最近増えている実例と共に、弁護士の佐藤大和さんにお話を伺いました。
スタンプの使い方ひとつで、思わぬ事態に…
――最近の働くミドル世代が遭遇するトラブル、どんなものが増えているのでしょうか。
社内恋愛や浮気といった、男女間の恋愛トラブルが急増しています。理由は2つ。1つは、女性の社会進出にともない、職場での出会いが多くなっていること。それ自体は喜ばしいことですが、その分、トラブルも増えているんです。そして2つめは、SNSを通じたコミュニケーションスタイルの変化により、恋愛関係に発展しやすくなっていることです。
――SNSが絡んでくると、今の時代ならではの問題もありそうです。
最近増えているのが「冤罪不倫トラブル」です。LINEやSNSという「手軽なツール」が浸透したことにより「不倫しているのではないか?」という疑い、誤解を招くことでトラブルが発生します。
SNSで仕事のやりとりしているだけで誤解を生む場合もあります。同僚や後輩と一緒に取引先に行くとき、親しい間柄なのでLINEで「今日は〇〇で待ってるね♡」と送る。場合によっては、これでもう誤解を生みます。「ハートマーク」のスタンプひとつで、命取りになることもあるのです。
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