1985年以来、日本人の「がん」罹患者数は男女ともに増え続けています。2016年のがん罹患数予測は、男女で合計約101万200例。2015年より約2万8000例増加しています(国立がん研究センターがん情報サービス『がん登録・統計』)。
一方、かつて「不治の病」と考えられていたがんが、医療の進歩により「付き合いながら治療する病気」に変わっている側面もあります。治療しながら仕事を続け「がんと共に働く」生活を送っているミドル世代も、決して少なくなくなってきました。
30~40代、今まさに働き盛りのあなたが、突然がんを告知されたら、どうしますか。家族や友人、同僚がそのような立場に置かれたとき、どのように対処したらいいでしょうか……。胆管がん(ステージ4)と告知されながらも、インターネット上で仲間たちとつながるサービスを立ち上げた西口洋平さん(36歳)にお話を伺いました。
入社15年目、「超働き盛り」の時にがん告知
西口さんが自分ががんにおかされていることを知ったのは、今から1年半前。2015年の2月でした。
「2014年の夏ごろから下痢が続き、半年間治りませんでした。おかしいと思い、内臓や細胞の検査をしたのですが、異常なし。けれども先生から『目が黄色いですね』と言われ、黄疸が出ていることが分かりました。即入院し、詳しい検査をすると、主治医の先生が神妙な雰囲気で体の絵を描きはじめ『悪性腫瘍の可能性があります』と言うのです」(西口さん)
「胆管がん」。西口さんが聞かされた病名は、思いもよらないものでした。「死ぬかもしれない」。ただ茫然とし、途方に暮れたと言います。それでも、まず頭をよぎったのは「仕事、どうしよう」でした。
「新卒で入ったエン・ジャパンに入社15年目。急速に成長した会社なので、会社を支える上層部は社長と同期数名という状態でした。しかし病院に通院しながらでは、勤務は週3、4回が限度です。入院を繰り返せば、有給休暇もなくなってしまう。仕事を続けられなくなれば、家族はどうするのか。まだ幼い子どもの養育費はどうしたらいいんだろう?……と」(西口さん)
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