「税金とタクシー」、2つの言葉の意外な関係

知って納得!金融英語の世界

税金とタクシー、あまり関連性がないように思えますが……(写真:Jaromir Chalabala/PIXTA)

「キャッシュ」「ハイリスク・ハイリターン」「デフォルト」……。私たちが日常的に使う言葉の中には、英語が多く含まれています。特に金融用語は英語だらけ。いつもなんとなしに使っているこれらの言葉ですが、語源や背景がわかると味わい深くなるだけでなく、いろいろ応用できるかもしれません。本連載では、さまざまな金融英語の語源をわかりやすく、楽しく紹介していきます。

「コミットする」の由来は?

Commission

commission は非常によく知られた語ではないでしょうか。「手数料」の意味を思い浮かべる人が多いと思いますが、本来は商取引における「委任、委託」です。あと「委員会」という意味を思い出せる方は多いでしょう。-er をつけて「委員会の理事」という意味をもたせたのが、プロ野球などでいう「コミッショナー(commissioner)」 です。

「委員会」という意味では committee という語もありますが、こちらは双方の単語の基になっている動詞 「コミット(commit=過失などを犯す、委託する、など)」のつづりに近いですね。この動詞の名詞形 「コミットメント(commitment=委託、交流、犯行、など)」は、最近ビジネスピープルの間で「コミットする」などという言い方で日本語化しています。ちなみに commitment は、株の世界では「有価証券の売買契約」の意味でも使います。

さて、この commit という語は 「com-(この場合は「~に対して」の意味)」と 「mittere(送る)」というラテン語の動詞が接合してできました。「ある人に対して送る」ということから「委ねる」という意味になったのです。この mittere という動詞は非常にたくさんの言葉の基になっており、例によって主なラテン語系の接頭辞をつけてみると、容易にいろいろな語が思い浮かぶでしょう。

まず ad- がついて「 admit(許可する)」、その名詞の 「admission(入場許可)」、類義語で 「admittance (入場)」があります。「admission free(入場無料)」という表現も最近よく聞くようになりました。

「外部へ」の ex- が結合したのが「 emit(出す、放つ)」で、その名詞形が「紙幣発行」の意味もある「emission」です。「対立」の ob- がついてできたのが「omit(省略する)」と、その名詞形の omission。このグループでいちばん有名な語はおそらく per- がついた「permit(許可する)」、名詞形 「permission(許可)」ではないでしょうか。また、「再度」を示す re- がついた 「remit (送る)」も金融業界では重要な語彙です。「現金や小切手の送金」のことを「remittance」というのは聞いたことがあるでしょう。

このほか、「下」を意味する sub- のついた「submit」はインターネットで検索を実行するという意味でよく使います。通常は、「服従する」「提出する」の意味ですので、「服従」「提出」は「submission」ということになります。

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