日本で奮闘!カナダ人母のサバイバル哲学 カナダ、イギリス、香港、そして日本へ

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「私のポジションにいる人間の多くは、MBAを持っています。でも私は、学位も取得していない。現職に至るまでのルートも異質。でも、私は他の人をうらやましいと思ったことはありません。ほかの人を嫉妬してやまない気持ちにさせるのは、ほかの誰のせいでもない。自分自身です」

管理栄養士から、グローバル企業へ

確かに、エイミーさんは、金融業界では珍しいキャリアの持ち主だ。

カナダのニューファンドランドの小さな漁村に生まれたエイミーさんは、飛び級で16歳で高校を卒業した秀才だが、まだ自分の将来について決めかねていた。そのため、高校卒業後、すぐに病院で働き始めた。そして、20歳になってから、そこで生かせる資格をと、働きながら通学できる専門学校で、管理栄養士の学位を取得したのだと言う。

初めての仕事は、カナダの病院での病院食の準備係。9年勤め、最後は、20人のチームの業務管理を任される立場にまでなった。

だが、好奇心旺盛で意欲的なエイミーさんは、それでは満足せず、イギリスのマン島に渡って、世界最大級の金融機関HSBCに勤めた。

そこで、相続手続きを担当した後、同じマン島でチューリッヒ・インターナショナル・ライフ・リミテッドに転職。保険代理店のサポート業務の担当として頭角を現す。そしてついには、香港オフィスでの保険代理店管理業務のマネージャーに栄転。中東のドバイでは、社内トレーニングのリーダーを務めた。

「多くの努力と少しの運、そしていくつかのリスクを冒すこと、自分にとって必ずしも快適ではない仕事もやり遂げることで、チャンスをつかんできました」と振り返る。

そんな立志伝中の人物であるエイミーさんは、成功の秘訣にも育児と仕事の両立にも、通底するセオリーがあると言う。それが、先にも書いた、「何もかも自分次第」という哲学だ。

「"Life is hard."人生は甘くはありません。でも、困難にどう立ち向かうかどうかは全部、自分次第です。たとえば、私は毎朝、前向きな気持ちでいようと“決意”しています。人に嫌なことをされれば、不機嫌になることもあります。でも、その後、もう一度『よし、前向きになろう』とまた“決意”すれば、ポジティブになれる。結局、すべては自分のチョイス次第なのです」

なるほど、ハッとさせられる言葉だ。確かに、どの職場にも文句や愚痴を言うのが趣味みたいな人がいる。彼ら彼女らは、「愚痴を言う自分」をチョイス(選択)しているということか。

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