日本で「南インド料理屋」激増の意外な理由

店舗数は13年間でなんと10倍に

日本人の感覚からするとかなり特異な南インド料理店が、なぜこれほど増えているのか? 前述の「エリックサウスマサラダイナー」を運営する株式会社円相フードサービスの稲田俊輔専務に尋ねたところ、意外な答えが返ってきた。

円相フードサービスは、2011年に東京・八重洲地下街に南インド料理店「エリックサウス」をオープン。その後も系列店を各所に開き、南インド料理文化を広める一翼を担ってきた。その中心にいるのが、エリックサウスプロジェクトの企画と全メニューの開発を手がけてきた稲田氏だ。同氏がまず指摘したのが、南インドだけでなく、南アジア料理自体が注目されているという点である。

「たとえばスリランカ料理、ネパール料理、パキスタン料理、ベンガル料理など、さまざまな南アジア料理が近年盛り上がっています。そのトレンドの中心に南インド料理があるという構図です」(稲田氏) 

インスタで「傍流」カレーの情報入りやすく

南アジアとは、上記の国々が位置するいわゆるインド半島を指し、「インド亜大陸」とも呼ばれる。こうした料理の盛り上がりは、日本で圧倒的主流の「ナン+バターチキン」といった北インド系のカレーの様式へのカウンター意識も後押ししているだろう。

SNSのおかげで非主流のカレー情報を手に入れやすくなっていることも大きい。特にカレー好きの間ではインスタグラムの存在が大きく、情報はとても早く伝わる。加えてSNS上では、ものめずらしいカレーの情報が重宝される傾向があり、そこを目指す人も自然と多くなる。

ではその中でも、特に南インド料理が注目されているのはなぜか。まず考えられるのが、料理そのものの特徴だ。南インド料理は一般的に油の量が少なく、食材は野菜が中心で、比較的低カロリー。そして米が主食でごはんに合う料理が多い。ヘルシーで意外にも日本人の食感覚に合いやすいのだ。

ところが前述の稲田氏は、そうした説明は半分正しく、半分は間違いだという。

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