日本人が知らない白ワインの「重め」と「軽め」 内田篤人的、トム・クルーズ的なワインの差

✎ 1 ✎ 2 ✎ 3 ✎ 4 ✎ 最新
拡大
縮小
白ワインの重めと軽めを人にたとえてみると?(イラスト:くぼあやこ)

こんにちは! 杉山明日香です。今回の「ワインの常識」は前回に引き続き、ワインを楽しむキーポイントとなる「重め・軽め」のニュアンスについて。 今回は白ワインについてお話ししていきます。

ワインの色で、味もだいたいわかる

赤ワインの味わいの要素は、大きく分けて3つ、「甘い」(果実味)、「酸っぱい」(酸味)、「渋い」(渋味)でしたね。白ワインの場合は、まずこの要素のうち「渋い」(渋味)は無視することにします。

連載の一覧はこちら

 

なぜでしょう? その答えは、白ワインの造り方にあります。ワインの渋味は、ブドウの種子に含まれる「タンニン」に由来します。一般的に白ワインは、ブドウの果実から種子と果皮を取り除いてからアルコール醗酵させるので、白ワインには渋味がなく、赤ワインに比べるとスッキリとした味わいになるんです。

果実味と酸味については赤ワインと同じです。果実味はブドウ由来のフルーティーさのことで、酸味は果実味を引き締め、味にキレを与えてくれます。ちなみに白ワインの場合、色を見ると、そのワインは果実味のほうが強いのか、酸味のほうが強いのかがわかります。傾向としては、果実味が強いワインは黄色っぽい色になり、アルコール度数も高めになる一方、酸味が強いものは色合いが薄く、よりスッキリと軽めの味わいになるのが特徴です。

それでは、その果実味や酸味の違いはどこからくるのでしょう。もちろんブドウ品種の特性にも影響されますが、もう一つ大きな影響を与えるのは、ブドウの育った生産地の気候です。

一般的に温暖な生産地のワインは果実味豊かでアルコールも強めです。なぜなら温暖な生産地で育ったブドウは、太陽の日を浴びてよく熟しているため糖度が高く、果実味も豊かになるからです。アルコールの原料になる糖分がより多く含まれるブドウから造られると、ワインのアルコール度数も高くなります。

次ページ白ワインの重い・軽いはどこからくる?
関連記事
トピックボードAD
ライフの人気記事
トレンドライブラリーAD
連載一覧
連載一覧はこちら
人気の動画
日本の「パワー半導体」に一石投じる新会社の誕生
日本の「パワー半導体」に一石投じる新会社の誕生
猛追のペイペイ、楽天経済圏に迫る「首位陥落」の現実味
猛追のペイペイ、楽天経済圏に迫る「首位陥落」の現実味
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
ホンダディーラー「2000店維持」が簡単でない事情
ホンダディーラー「2000店維持」が簡単でない事情
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT