日本人が知らない白ワインの「重め」と「軽め」 内田篤人的、トム・クルーズ的なワインの差

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成熟度の高いブドウから造られるので、ワインの色も少し濃い目のレモンイエローやゴールドがかったイエローになりますし、アプリコットや黄桃のような甘みの強い果実や、バナナやマンゴーといったトロピカルな香りや味わいが生まれます。

一方、冷涼な生産地で育ったブドウは比較的、成熟度が控えめなので、糖度が上がりすぎずキリッとした酸味が残り、すっきりとした味わいのワインになります。色はどちらかというと淡めで、グリーンがかったような、明るいレモンイエローに。香りも、甘みのある黄色いフルーツというよりも、レモンやライムのような柑橘系果実と、ハーブのような清涼感が感じられるのが特徴です。

白ワインの「重め・軽め」を考えるとき、この2要素=果実味(甘み)・酸味の強弱というのが基本になります。赤ワイン同様、そのワインに使われている「ブドウ品種」の特徴によって左右されますが、とりあえずそれはスキップしちゃいましょう。

白ワインで重要な要素は“樽”!

白ワインの「重め・軽め」を考えるうえで、もう1つ重要なファクターがあります。それが樽からの風味・味わいです。赤・白ワインともに、ブドウからジュースを搾って、醗酵させてから、ワインとして瓶詰めをする前に熟成という工程を経るのが一般的です。

ワインを熟成させるときには、ステンレスタンク、コンクリートタンク、大樽、小樽、新樽、古樽といろいろな選択肢があります。白ワインを新樽で熟成させると、ほかのものと比べ、ワインの風味や味わいに香ばしさやコクがより出ます。もちろん赤ワインにも新樽の影響はあるのですが、白ワインのほうが、よりわかりやすく味わいに影響を与えます。

では、なぜ樽で熟成させると香ばしさやコクが出るのでしょう? その秘密は樽の作り方にあります。樽は、木材から成形する際に、内側になる表面をバーナーであぶってローストされます。だから白ワインを新樽で熟成させると、成形する際にできたこんがりと焦げた箇所からワインに香ばしい香りやうまみが移っていくんです。

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