今の就活を「親の思い込み」で語ると失敗する 多くが誤解する30年前とは違う、5つの変化

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今や日本経済はサービス産業で支えられているとも言える状況で、むしろサービス産業以外の就職先を選ぶのが難しくなっている。また、IT業界を中心に次代を担う新しい企業も、続々と登場している。業界や企業に対する親世代の既成概念で子どもの就職先を判断するのは避けるべきだろう。

誤解ポイント4 就活コストが大きな負担になっている

「2019年卒マイナビ学生就職モニター調査」(2018年6月)によると、就活で不安に思う要因の第1位が「志望企業から内々定をもらえるかどうか」で55.4%、第2位が「面接でうまく話せるか」(48.8%)となっているが、続いて第3位に入ったのが「交通費など金銭的負担が大きい」(43.1%)こと。就活生にとっては就活費用が大きな重荷となっていることがわかる。

具体的な金額としては、3月~7月の5カ月間の累計で、平均11.0万円(マイナビ学生就職モニター調査)。これは都市部の学生を含めた平均値だが、関東や東海、関西地域を除く学生に限ると、15.7万円とハネ上がる。都市部での就職を希望する地方学生の場合には、交通費などさらに大きな負担になっていると思われる。

もちろん、3月より前にリクルートスーツやバック、ビジネスシューズといった費用もかけているはずで、さらに、会社説明会や面接などが続くと、アルバイトをする余裕もなくなってくる。それなりの就活資金を準備しておかないと、就活そのものにも支障をきたす危険性がある。こういった実情を考えると、せめて3月から内定が決まる4~5カ月の間は、保護者による就活資金の援助があると、学生にとっては非常に心強い助けになるに違いない。

他人と比べ「まだ内定でないの?」は禁物

誤解ポイント5 就活の進捗は1人ひとり違う

今、日本企業の採用活動は、大学3年生(大学院1年生)の3月にスタートして、大学4年生(大学院2年生)の6月から面接開始、順次内定が出るというスケジュールになっている。

しかし、これは経団連に加盟している大手企業の場合で、外資系企業は大学3年の冬に内定が出るケースもあるし、中堅中小企業の場合は、4~5月あたりに内定が出るのも珍しくない。また経団連に加盟している企業の中でも、業界によって応募書類の締め切りや面接のタイミングは違うし、募集職種によっても進み具合は異なってくる。

学生によって就活の進捗はまったく違うので、他の学生と比較して「まだ内定出ないの?」や「〇〇さんはもう内定出たみたいだよ」といった発言をするのは、避けるべきだ。

もちろん、就活がうまくいかないからといって、アドバイスのつもりで「資格でも取ったら?」とか「公務員でも受けたら?」と不用意に発言するのも気をつけたい。なかなか内定が出ないのを見かねて、「就職しなくても1人くらい食べさせていけるよ」と、安易に”逃避”を手助けしてしまう保護者もいると聞く。もちろんこれもおすすめできない。

いずれにせよ、誰も正解を教えてくれない就活で、何とか納得のいく就職先を見つけようと懸命にがんばる子どもを応援し、励まし、支えられるのはやはり保護者しかいない。

今回は、就活生を持つ保護者に向けて注意すべきポイントを整理した。くれぐれも、「過保護・過干渉・無関心」にならないように。子育ての最終仕上げの心づもりで支えてあげてほしい。

吉本 隆男 キャリアライター&就活アドバイザー

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よしもと たかお / Takao Yoshimoto

元マイナビ編集長。1960年大阪生まれ。1990年毎日コミュニケーションズ(現:マイナビ)入社。各種採用広報ツールの制作を幅広く手がけ、その後、パソコン雑誌、転職情報誌の編集長を務める。2003年より就職情報サイト「マイナビ」の各種コンテンツ制作、プロモーション施策の立案・実施を担当。2015~2018年までマイナビ編集長を務める。2019年からは地域創生をテーマとした高校生向けキャリア教育プログラム&教材の開発に従事。2020年定年退職を機にキャリアライター&就活アドバイザーとして独立。日本キャリア開発協会会員(CDA)、国家資格キャリアコンサルタント。著書に『保護者に求められる就活支援』(2019年/マイナビ出版)

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