今の就活を「親の思い込み」で語ると失敗する

多くが誤解する30年前とは違う、5つの変化

さらに現在の就活は、いくら人材不足や採用難と言っても、希望すればどんな会社にでも入れる、というわけではない。親が望むような大手企業に関してはむしろ人気が集中している。この調査では、従業員規模別の求人倍率も公表しているが、300人未満の中小企業は9.91倍と高倍率な一方、5000人以上の大企業は0.37倍と倍率が低く、就活生にとってはかなりの競争率となっている。内定を獲得するためには万全の準備が不可欠であるということは言うまでもない。

誤解ポイント2 就職で偏差値は通用しない

たいていの学生は、大学に進学するまで、偏差値を基準に進学先の選択をしてきたことだろう。自分の成績や学力に見合った学校か、自分の実力より少し上のレベルの学校を目指すことが普通だったはずだ。

しかし、「就職では偏差値は通用しない」と、考えておいた方がいいだろう。偏差値の高い大学に通っているからといって、大手企業に入れるわけではないし、有名大学の学生だからといって優遇されるわけでもない。

それはなぜか? 企業が人物・能力重視の採用を行っているからだ。「2019年卒マイナビ企業新卒採用予定調査」(2018年2月調査)によると、企業が選考時に重視する項目として、主体性(83.1%)や実行力(59.0%)が上位に入り、面接時には、「明るさ・笑顔・人当たりの良さ(60.4%)」、「入社したいという熱意(44.8%)」、「素直さや伸びしろ等の成長可能性(41.6%)」が重視されている。対照的に「地頭の良さ(9.4%)」や「技術的・専門的な知識(5.4%)」は、面接時には重視されない。

サービス業の比重はさらに高くなっている

そうは言っても「”ターゲット校採用”とか”学歴フィルター”が存在するのでは?」と疑心暗鬼になる人も少なくないだろう。確かに大量のエントリーが集中する人気企業の一部では、効率的な採用のため特定の大学からしか採用しない企業もあるようだが、それはあくまでも少数派だ。

たいていの場合、「ターゲット校は重点的に採用広報をしている大学」に過ぎず、学歴フィルターを使っている企業はほとんどないのが現実である。もちろん、選考時に筆記試験が課されることが多いので基礎学力は不可欠だとしても、これまでと同じように偏差値を基準として志望企業を選ぶのは要注意だ。

誤解ポイント3 昔と産業構造がさらに変貌している

「せっかく大学で専門的な勉強をしたのに、サービス業に就職しなくてもいいんじゃないの?」と考える親が少なくないと聞く。確かに、親世代にしてみれば、技術立国ニッポンの成長を支えてきた重厚長大企業や歴史のある安定企業に、魅力を感じるのは仕方のないことだろう。

しかし、昔とは産業構造そのものがさらに変化していることを、理解すべきだ。1990年当時もサービス産業の台頭は著しかったが、20年以上経過して、そのウエートはさらに増していることがわかる。内閣府の「国民経済計算」によると、日本のGDP(国内総生産)に占めるサービス産業(第三次産業)の割合は、1970年が47%、1990年が58%、2010年が71%となっている。サービス産業の就業者数の割合も、1990年の56%から2010年には68%と拡大。このトレンドから見れば、この先もサービス産業のシェアが拡大していくのは明白だ。

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